2016/08/22 15:22

fula『森の王様』フリー・ダウンロード&これまでの音源を配信開始!

2012年の年末に自主開催されたイベント限定配信曲の限定を解除して皆様にプレゼント。メンバーの出会いの場でもあったサッカー…その先駆者・キングカズを敬愛して作られたサーフ&ロック・ナンバー「King」、森を舐めてる森ガールが森で女子会を開くもあえなく熊に食い荒らされる様をコミカルに描いた環境保全への意欲作ジャズ・ロック(一部メタル)「Glizzly」の2曲を、無料にするにはもったいなハイ・クオリティーで無料配信いたします!

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fula / この小さな部屋が銀河にかわるまで
2011年にライヴ会場にて発売開始された最初のミニ・アルバムもついにインターネットを通じて配信開始! 宇宙空間を莫大なものとしてではなく、ミニマルな視点でテーマにした3曲入り。2013年現在とはちょっと雰囲気の違うダブ&エモな楽曲「may so」や、オーガニックかつポップな冬の歌「オリオン珈琲」、表題曲のクラシカルなミディアム・バラード「この小さな部屋が銀河にかわるまで」はピアノが入っているので、ライヴと聴き比べてみるのも面白いかも。

<価格>
mp3 : 単曲 150円 / アルバム 400円
HQD : 単曲 200円 / アルバム 500円

※いずれも、歌詞カード(pdfデータ)付き


fula / 三日月色の海と夕凪かえり道
メンバーの私生活の色々を経て、ついに出されたジャム&ポップバンド、fulaの2ndミニ・アルバム! ドラムの高木が「俺のぱっとしないバンド人生の中でも一番の最高傑作」と豪語する納得のオーガニックとメタボリックをまさに「ジャム」でまとめた仕上がり。前作とは正反対に夏のイメージを全面に出した今作。海に飛び込みたくなるサーフ&レゲエ調の「mayonakabeach」、聴けば聴くほど味が出る真夏のスルメ曲「赤い自転車」、メンバーの愛する某映画のことを考えながら演奏した「SW」で〆。それらを四季折々の情景を浮かばせるジャミーなナンバー「mother」から是非聴き始めてください。

<価格>
mp3 : 単曲 150円 / アルバム 500円
HQD : 単曲 200円 / アルバム 700円

※いずれも、歌詞カード(pdfデータ)付き

INTERVIEW : fula

吉祥寺のWARPにfulaというバンドのライヴを見に行った。普通よりも少し目立った人たちが、普通よりも少し目立ったままステージに上がって、びっくりするような良い曲を、普通よりも少し目立った感じで演奏していた。過剰なアイドルが全盛を極める今、過剰ではないロック・バンドがとても新鮮に感じる。聴けば、フットサルが大好きで、バンドではなくチームだと言う。スケーターやサーファーと同じように自然体で音楽をすることをかっこ良しとしている彼らのスタイルを羨ましく思うのは、決して僕だけではないだろう。フラ フロム キチジョウジ! 彼らが、フェスを制覇する前に出会えたことに感謝!

インタビュー & 文 : 飯田仁一郎
photo by 雨宮透貴

好きなことをやる。やれるんだからやろうよ

左から、安本佑治(Ba)、高木健(Dr)、、石川ユウイチ(Gt)、字引佑麿(Vo&Gt)

――今日初めてfulaのステージを見て、「自然だな」って思いました。

字引佑麿(以下 : 字引) : 言われてみれば。スタジオで練習してる感じそのままですね。悪く言っちゃえば内輪なんですけど(笑)。

――そうしようと思ったのは?

高木健(以下、高木) : そっちの方が楽しいしね。お客さんがしかめ面してるよりも、皆で楽しくやりましょうよって。
字引 : MCをする時点で色々考えたことがあるんですけど、考えてきちんとした事を喋るとなると僕はけっこうポリティカルなんです。音楽をやるにあたってステージに立ってしまうと、どうしても人に対してちょっと上から喋る状況になるわけだから「そういうことは言った方がいいのかな?」と一時期は思ったんですけど、それをすると単純に話がめちゃくちゃ長くなって曲を削らなきゃいけないから、本末転倒だなって(笑)。

――字引君は、ポリティカルな考えを持っているんだ?

字引 : はい。震災後に一度、バンドのあり方みたいのを考えて。楽器を鳴らすのは余剰電力のお蔭じゃないですか? 自分達の中でどういうスタンスでやっていくかを考えたけれど、そんなに簡単に答えが出る物じゃなくて。その時は、考え続けようと決めたのですが、かなり煮詰まってきたときに、「いつまでも根詰めてもしょうがないし、ある程度忘れる事も大事」っていう…、好きな漫画のセリフで救われたりして(笑)。

――バンドとしては、ポリティカルな要素は、あまり出さないようにしてる? ステージでは、感じなかったけど。

石川ユウイチ(以下、石川) : バンドとしてはスパイスくらい。
高木 : 個人が思う思想だから。でも、そういうことって音楽をやっていなくても、日常的に皆考えていると思うんですよ。だから「そういうことは関係ない音楽」をやっているわけじゃない。個々で考えながら、自分らとして何が出来るかを考えようって、バンドで話し合ったよね。
字引 : 「好きなことをやる。やれるんだからやろうよ」って。それでもそういうことを忘れないで、しっかり自分達の知れることは知ろう、考えるべきところは考えようって。ある程度しっかり考えてる人(バンド)って、MCで言わなくても滲み出るじゃないですか。だからMCでは、ポリティカルなことは喋らなくていいかなと思ってます。

――歌詞の中では?

字引 : ないです。基本的に言葉の響きとかストーリー性とかが大事なんです。「キング」っていう方の曲は、その通りキング・カズ、三浦和良先輩のこと。僕らが彼を尊敬しまくっているので(笑)。

――そうだよね、確か、fulaはサッカーで出会ったんだよね。

字引 : そうなんです。もう一曲の「グリズリー」は、全編通して森ガールのゆるい感じをイメージして作って、クマが出てくる所だけギャリギャリのメタル・リフみたいなのを(笑)。
高木 : 音源だと、友達のバンドQOOLANDのベースの菅(菅ひであき)が後ろで「森のぉー」ってシャウトをやってくれてね(笑)。

――fulaは、どのように結成されたのですか?

字引 : 僕と石川は、最初大学が一緒で。
石川 : 内定貰って卒業しますって時に、バンドやろうかって字引君に誘われて。初めは2人で始めたんですよ。
字引 : 2009年位でバンド名も決まってなかった。当時は、キーボードもいて五人編成のバンドだったんです。

――当時はどんな音楽をやろうとしたんですか?

字引 : Sim Redmond Bandがその時は好きで…、とは思ってたんですが、なかなかメンバーの技量とか自分の勉強不足などもあって。
石川 : 聴いてる音楽が今と当時とでは全然違いますね。ポスト・ロックとかハードコアとか、そっちの方が流行ってて、そこから入ったような感じ。

――つまり、ハード・コアとかポスト・ロックを聴いてて、Sim Redmond Bandとかを聴いて、今のような音楽性に?

字引 : うーん…。
石川 : ミックスですね。俺は、Sim Redmond Bandとか聴いてなくて、教えてもらった方だから。
字引 : そういうのも好きだけど、僕らのバックボーンも出していけたらいいよねって最初は思ったんですけど、想像以上にそれは難しかった。だから、バックボーンみたいのは置いといて、とりあえずはアウトプットじゃなくてインプットを大事にしていこうって思ったんです。
高木 : そんな事もありつつ、5人のうち、3人を一度クビにして。
石川 : もうバツッと。で、2人だけに戻ったんですよ。2人だけで1年位やったかな?
字引 : で、いい加減にバンドをやりたいよねって、メンバーの当てはないけど先にライヴをやる日にちとか決めちゃおうって吉祥寺warpにお願いして(本取材場所もwarpにある休憩スペースをお借りしました)。

――急展開!

字引 : で、フットサルの練習の時に同じチームだった高木と久しぶりに会って。
高木 : 練習が終わった後にちょっとドラムをサポートでやってくれない? って、急に頼んできたよね。

――実力とかは知らずに?

字引 : そのチームが、バンドのサークルの人が多くて。コピー・バンドとかもちょくちょくやってて実力はある程度知っていたのでお願いしようと。その後、別のサッカー・チームの合宿の時に新潟まで行って、でも合宿なのにボールを一切触らず帰るっていうヤス(安本佑治)に僕は心を奪われて…。
安本佑治(以下、安本) : サッカーをやる前日にすごい呑んで、しかも振り回されたりして。そしたら気持ち悪くて、サッカーどころの騒ぎじゃなくて。「人間給湯器」と言われ…(笑)。
字引 : 人間給湯器のヤスに惚れて仲よくなって、お互いのライヴを見るようになって。その時は別のサポート・ベーシストがいたんですけど、そいつも別のバンドが忙しくなるからってなったので、じゃあヤスに頼もうってね。
石川 : 俺らもその時は今みたいにジャム・バンド路線じゃなくて、今よりポスト・ロックとかルーツ色が強かった。でも彼が入ってきてくれた事によって色んな音楽を教えてくれたんです。
安本 : オーガニック色が強くなったよね。

サッカーは、僕らの音楽の根幹

――例えばジャム・バンドでもいっぱいあるじゃないですか。fulaにとって、Sim Redmond Band以外にもキーワードはありますか?

安本 : 他だとPhishやmoeとか好きですね。基本は歌がある方が好きですけど、インストの曲とかも作ってみたいと思っています。一曲そういう曲があるとライヴで楽しいかなって。

――fulaは字引君の歌が基本にあるの?

石川 : そうですね。やっぱり彼が作ってくる時に、当然歌もつけて持ってくるんで、それに対して我々がどう肉付けして遊んでいくかという感じですね。

――字引君は、fulaというバンドで、意識してる事はありますか?

字引 : うーん。乗ってくれるような、っていうのと、メロディ。皆が洗い物をしてる時とかに口ずさみやすいような、心に残りやすいようなメロディは意識しますね。

――口ずさみやすいっていうのと、ジャムっていう要素は、正反対になる可能性があるじゃないですか。そこは気にしていない?

字引 : 構わないし、それが今よりもっと出来るようになって、もっと理想に近づけば、もっと自分達が見たい景色が見れるかなって。

――具体的な目標はありますか?

石川 : フェスに出たいですね。常連になりたい。
高木 : 歌とジャムってどっちも楽しめる物だから、もっと上手くそれをお客さんに伝えることが出来れば、歌を聴く人もいればジャムで踊る人もいるっていうふうになって、最終的にはそういった大きいところに出れる。僕、出身が静岡なんですけど、朝霧ジャムというフェスがうちの地元の近くなので、そこにいつかは出たいっていうのが夢ですね。実家が近くにあるので、朝霧からタクシーで帰って、「楽しかった」って言って実家に着くわけです。その時にマネージャーなり嫁さんなりが一緒にいて、「ついたよ」って言われた時に「高木? 高木…、死んでる…!」って最高の時に死にたい。

――(笑)。「出たい!」って言って出れる物ではないじゃないですか。その為にやろうと思っていることは?

高木 : 単純に実力が足りてないっていうのは皆感じています。やっぱりジャムとは何かという共通意識がまだ少ないし。ジャムといってもダンス・ミュージックに近いような物もあるし、「楽しく」といってもどう楽しくするのか。そういう共通意識をメンバー間でもっと高めたいし、それに応じる技術の引き出しの多さも必要。
安本 : フェスって、練習してれば出られるわけじゃないしね。マネージャーのイワジュン(Jun Iwasaki(FunLandRyCreation / label))がついてくれて、色んな所に顔は出しやすくなったけどね。それによって、間口が広がった感じはすごくあるので、色んなバンドと対バンして仲よくなっていきたいですね。
字引 : 僕は、知名度を上げたい。色んな地方で、関西とか新潟とか全国の人に知ってもらわなくちゃまずいので。今は曲について自信はすごくあるよね?
一同 : あるある。
字引 : あと、面白い事をやりたいですね。今日ライヴをやっても、良いバンドが多かった。それぐらい良いバンドは沢山いて、俺らより技術を持ったバンドも、たくさんいる。それでも俺らは曲に自信があるんですけど、他の所で何か差別化を図って、知名度をあげていきたい。例えば、SOURは、PVがテレビとかに取り上げられて、知名度も平行して上がっていったじゃないですか。(※「日々の音色」のPVが文化庁メディア芸術祭エンターテイメント部門大賞他)そういう試験的な事を色々やるためにも、人の繋がりが大事だなって思っています。

――さっきも話に出ていたフットサルって、fulaにとっては大きな存在?

安本 : めちゃくちゃ、関係ありますね。

――90年代は、スポーツと音楽に隔たりがあったようなノリがあったじゃないですか? いわゆるローファイとかって言われるのなんて、部屋に閉じこもって音楽をやってるのがかっこいいんだよみたいな。

字引 : 完全にインドア、アウトドアって言葉が回ってきた時代ですね。

――だからfulaがフットサル好きを公言していることが、実は新鮮だったんです。

字引 : 大きいですね。僕らにとっては、バンドより、チームって考えた方がしっくりきますもん。
高木 : どちらかと言えばサッカー。11人体制のね。
石川 : それぞれポジションがあって。
高木 : ポジションの中で完結できる話もあるし、チームでいうところの、監督がいてフロントがいてみたいな存在も必要で。
字引 : バンドの例えとかもサッカーで説明します。「ボールをこういう所で止めちゃいけないから、常に回し続けていこう」みたいな。後はライヴの時とかも「声出していこう!」みたいな。試合と同じ。
高木 : 繋がるところだよね、サッカーと音楽って似てるというか。

――スケーターやサーファーって体育会系のノリとは全然違う。例えば、トミー・ゲレロは、軽いノリやかわいた感じが音楽にもあらわれていますよね。だから体育会系のように決してエモすぎない。なんかfulaのノリと似ているなって。そうか、あのステージの自然な感じの理由はこれか、と。

字引 : そうですね、どっちかというとブラジル代表のようなサンバ的な。サッカーは、僕らの音楽の根幹だったりはしますし、音楽もサッカーも両方楽しんでいきたいと思っています。

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LIVE INFORMATION

2013年2月22日(金) @新宿 JAM
2013年3月23日(土) @渋谷 club asia

三日月色の海と夕凪かえり道ツアー
2013年2月17日(日) @京都 二条 GROWLY
2013年2月18日(月) @大阪 心斎橋 FANJ
2013年3月1日(金) @水戸 LIGHTHOUSE
2013年3月17日(日) @稲毛 K'S DREAM

PROFILE

fula

fula(ふら)は日本の4人組バンド。メンバー構成は字引佑麿(Vo&Gt)、石川ユウイチ(Gt)、安本佑治(Ba&Cho)、他一名。ジャムを基調にした野外で聴きたくなる開放感のある楽曲に、あたたかい歌声を乗せるプレイ・スタイル。サーフ、ダンス・ミュージックやレゲエ、アフロ・ビート、はたまたクラシック。それらをポップにまとめあげ、聴く人を躍らせ、踊らせる。高木健(Dr&Cho)がライヴ中にカロリーを消費しまくり汗だくになることから「オーガニック・ポップ・ロック界のローション・プレイ・オプション・コース」などと揶揄されることがあるわけではない。はてさて我らがfula、当然目指すは野外フェスの常連だ!

fula official HP

この記事の筆者

[レヴュー] fula

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