知人の披露宴で放った小渕優子氏、渾身の"自虐スピーチ"

披露宴司会者は見た! 「はじめての共同作業」は波瀾万丈
『披露宴司会者は見た! 「はじめての共同作業」は波瀾万丈』
石川 楽子
講談社
1,155円(税込)
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 政治資金問題で、経済産業相のポストを追われた小渕優子氏。第2次安倍政権の目玉人事として閣僚入りした彼女でしたが、わずか1ヶ月余りで辞任することとなりました。

 2000年の沖縄サミット目前に脳梗塞で倒れ、急逝した小渕元総理の後継者として、華麗に政界デビュー。その後も着実に成長を遂げ、初の女性総理候補と評されたこともありましたが、いまや政治生命最大の危機に直面しています。

 書籍『披露宴司会者は見た!「はじめての共同作業は波乱万丈」』では、そんな優子氏の知られざる一面が描かれています。著者の石川楽子さんは、都内一流ホテルを中心に活躍するプロのブライダル司会者。これまで数多くの披露宴に立ち会い、ときにハプニングも経験した石川さんが生き生きと綴った本書は、人生の教訓に満ちたエピソード集として楽しく読める一冊となっています。

 実は石川さんは、偶然にも「総理大臣のお嬢さん」時代の優子氏のスピーチを目撃したことがありました。その日、石川さんが披露宴の司会を務めた新郎の職業は警察官。新郎は小渕元総理の閣僚時代に、邸宅の警備を担当していた人物で、そのころ高校生だった優子氏から兄のように慕われていました。優子氏が大学を卒業してからも兄と妹のような良好な関係は続き、優子氏は、披露宴でトリのスピーチを飾ることとなったのでした。

 本書によれば、颯爽とマイクを握った優子氏は「私は今、日本でいちばん嫌われている小渕の娘でございます」と切り出し、ユーモアたっぷりにスピーチを続け、その場の人々の心を一瞬にして掴んでしまったのだとか。小渕元総理へのバッシングが強かった時期だったことを逆手に取った「最高の自虐スピーチ」を目の当たりにした石川さんは本書で「この人、政治家に向いている...」と直感。大物政治家の娘であることを鼻にかけることなく、警備担当者の披露宴にも駆け付けるという優子氏の人柄も好印象で「あれ以来、彼女のファンになってしまった」と述べています。

 小渕元総理は、次女で末っ子の優子氏を特に可愛がり、いわば"帝王学"を授けていたと言われています。姉の小渕暁子さんが自著『父のぬくもり』(扶桑社刊)で語ったところによると、小渕元総理は優子氏を"優太郎"と呼び、『総理の娘』(原書房刊)によれば、イギリス史上初の女性首相・サッチャー氏にあやかって"ユッチャー"と呼びんでいたことを明らかにしています。また家族で夕食を囲む際には、小渕元総理が「はい、優太郎、演説」と言うたびに、幼稚園児の優子氏が「はい、私、ご紹介いただきました小渕優子です」と一席始めるということが、たびたび行われていたそうです。

 総理まで上り詰めた父親から政治家として多くを学んだという優子氏。この絶体絶命のピンチを、どうやって切り抜けるのでしょうか。

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