12月24日@東京・Zepp Tokyo

12月24日@東京・Zepp Tokyo

RIP SLYME、恒例のクリスマスライヴ
はまるで“常夏”

11月からの東名阪ツアー『RIP SLYME “SINGLE JUKE BOX"』を12月4日に終え、さらに所属レーベル主催の『unBORDE Xmas PARTY 2014』ではキラーチューン連発で会場を盛り上げたRIP SLYMEが、12月24日に東京・Zepp Tokyoでクリスマスライヴ『CHRISTMAS ON THE BEACH』を行い、2700人のファンと一緒にクリスマスイヴを過ごした。
メジャーデビュー前年の2000年から、ほぼ毎年行っているクリスマスライブは今年で14回目。彼らのクリスマスライヴといえば、観客を15歳以下限定にしたり、男子限定にしたり、はたまた東京を飛び出した大阪公演(2007年)では「コラボ」、2011年の仙台公演では「希望」をテーマにするなど、毎回趣向を凝らして行ってきたが、今回のテーマは「真冬に真夏」。そもそも夏ソングが多いリップには夏のイメージが強いし、この日は北国生まれのサンタも逃げ出す、灼熱のライブが繰り広げられた。

開演時刻になって舞台の幕の前に登場したのは、お笑いコンビ、デニスの二人。メンバーの植野行雄は「芸人になる10年以上前からリップのみなさんに可愛がってもらっている」そうで、その恩返しの気持ちを込めて二人で前セツ代わりのトークを繰り広げ、場内を沸かせる。

二人の呼び込みで加わったSUと、今度は3人でトリオ漫才のごとき軽妙な掛け合いでお客さんとコール&レスポンス。SUの呼びかけに応じた観客全員の「イエー!」というデカい声に「Under The Sun」を重ねて、いよいよライブがスタートした。

この日の開演前のBGMは波の音。ステージにはパームツリーが並べられ、ポリネシアンダンスショーのような炎もメラメラ。ステージ後方の巨大なクリスマスリースもハイビスカスで作られていて南国ムード満載だ。

メンバーがステージに登場すると、今回の衣装はアロハシャツ! さらに会場を見渡すとスタッフ全員アロハシャツとまさに“夏"を演出。そんななか、1曲目に続き、「真夏のWOW」「Watch Out!!」「Hotter Than July」「SPLASH」と常夏ナンバーを連続披露。ここは亜熱帯かと思うほど、場内の気温と観客の体温がぐんぐん上がっていく。

パフォーマンスを終えた5人が水分補給しようとステージ右端に設置されたバーカウンターに向かうと、そこにはデニスの2人が。「RIP SLYMEに若手時代の元気の良さを思い出して欲しい!」という植野のお願いから7人で全力ゲーム大会をやることに。

「あっち向いてホイ」やジェスチャーゲームを全力で行って楽しませたあとは、「ジャングルフィーバー」と、ダンスリミックスでガラッと様変わりした「楽園ベイベー」を全力披露。場内には甘いサンオイルの香りを漂わせる演出のこだわりもリップならでは。再び水分補給でバーカウンターに向かうと、今度はMONGOL800のキヨサクがウクレレ片手に登場。客席から一際大きな歓声が起こる。そのまま3 組で夏の思い出ソングを歌うコーナーへ。

キヨサクが弾くウクレレを伴奏に、SUが「真夏の果実」、RYO-Zが「お嫁においで」、ILMARIが「La Bamba」、デニスが「夏の日の1993」をカラオケ気分で歌唱し、最後は、今年10月に発売された『800TRIBUTE - champloo is the BEST!!-』に収録された「あなたに」をキヨサク+RIP SLYMEで披露。続いて、キヨサクとトロピカルムードあふれるレゲエ風味ナンバー「Island」をコラボすると、場内にリラックスムードが漂い、リゾート地の湿った風が通り抜けたような錯覚を覚えた。

中盤の「虹」「(I Could Have)Danced All Night」「花火」は、常連が集まる美味しいレストランの隠しメニュー的な、ファン人気の高い夏ソング。夏の儚さやもの悲しさを切り取る夏ソングも得意とするリップらしさが出た好演目だった。

そうして会場にメロウなムードが充満したところで、場面一転、本日3組目のゲスト、一年中タンクトップ姿で夏っぽさを感じさせる武井壮がステージに走り込んで登場。デニスがリップの5人に忘れられないライヴの思い出やお酒にまつわる失敗談を聞き出したり、 武井がトナカイ、サンタ、そしてRIP SLYMEの倒し方を教えたりして、場内は笑いの渦に包まれた。

その後、ライヴはラストスパート。「太陽とビキニ」では、真冬だと言うのに20名の水着ギャルが派手なポンポンを持って登場し、ステージを明るくカラフルに盛り上げる。続けて、激アツナンバー「熱帯夜」「JOINT」が連続で披露されると会場の熱気はピークに。 体温上昇、ボルテージ最高、真冬に赤道直下のような熱さを感じさせるライブだった。

アンコールは人気のクリスマスソング「星に願いを」「Supreme」で聖夜をロマンティックに彩り、ラストにはクリスマス仕様の「Present」をパフォーマンス。デニスや武井壮との異色コラボが繰り広げられたこの日のライヴは、いつもは食べられないお菓子がたくさん詰まった、子供にとってのクリスマスブーツのよう。トークも多めで、5人の素顔がいつもより多く見られたプライベートパーティー感のあるライヴだった。

リップスライムが一年に一回届けてくれる楽しくてにぎやかなライヴの贈り物。帰り道のお客さんのハートは寒空の下でもきっとホカホカだったに違いない。

TEXT:猪又 孝(DO THE MONKEY)
PHOTO:オノツトム

【セットリスト】

OPENING
01.Under the sun
02.真夏のWOW
03.Watch Out!!
04.Hotter than July
05.SPLASH
06.ジャングルフィーバー
07.楽園ベイベー
(1)真夏の果実…SU
(2)お嫁においで…RYO-Z
(3)La・Bamba…ILMARI
(4)夏の日の1933…デニス
(5)あなたに…RIP SLYME、キヨサク、デニス
08.Island (withキヨサク)
09.虹
10.Danced all night
11.花火
12.太陽とビキニ
13.熱帯夜
14.JOINT
En.1 星に願いを
En.2 Supreme ※
En.3 Present
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