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暖かさを感じられる日が増えてくるこの季節になると悩ましいのが「靴の中」。そう、〝ムレ〟がどうしても気になってしまう。帰宅時に玄関で脱いだらムワッと嫌なニオイが…、という悩ましい経験をお持ちの方もいるはずだ。
そこでここでは、All Aboutなどでご活躍されているファッションジャーナリストの飯野高広さんに、靴のニオイ対策や日常でのケアについて聞いてみたのでご紹介しよう。
まず、帰宅した際にするべき、靴へのニオイ対策を聞いてみた。
「靴のニオイを取り除くには、市販のソックシートや消臭除菌スプレーを用いるだけでなく、ニオイのもととなる、靴の内部に溜まった『足の細菌』と『細菌で分解された汗』、皮脂、垢など細菌の活動の基になる『栄養=汚れ』をしっかり取り除くことが重要です。それらを除去するのに一番効果的なのは、薬局で売っている“消毒用アルコール”です。コットンパフにこれを適量取り、ライニングやインソールなど靴の内側を拭いてあげると、ニオイのもとになる成分だけでなく、余分な湿気も同時に取り除けます」
上記の消毒用アルコールのほかにも、殺菌・消毒効果を発揮するお酢でも代用できるそうだ。では次に、ニオイを発生させないための、効果的な収納方法を挙げていただいた。
1.同じ靴を2日以上連続して履き続けない
2.靴に付いた汚れやホコリはなるべく早く取り除く
3.靴をしまうときは内側の湿気を十分飛ばしてからにする
4.雨や雪の日に履いた靴は水分を十分取り除いた後でしまう
5.長期間履かないことが分かっている靴はしまう前に汚れを十分落とす
6.下駄箱を湿気の多い場所には置かない
7.一日に10分は下駄箱の扉を開け通気性を確保する
8.下駄箱の中にスノコを置くなどして靴の底面も通気性を確保する
9.下駄箱に吸湿ポットを常備しておき、それをこまめに交換する
また、靴のケアだけでなく、靴の中が蒸れないために重要なポイントがあるようだ。
「実は靴下やストッキングに気を遣うことも意外と重要です! 女性に足のニオイの悩みが多いのは、通気性の悪いナイロン・ポリウレタン製のストッキングを愛用していることも一因になっていると思います。それを避けるためには、ウールを主原料とした製品を使うと良いと思います。ウールは、保温性と共に通気性・発汗性にも優れ、ニオイの根本となる細菌の増殖が起こりにくい素材でもあります」
いくつかニオイ対策のポイントを挙げてみたが、飯野さんによると「やはり常日頃から足をちゃんと洗い、足の清潔さを保っておくことが最も肝要」だそうだ。その際には、保湿成分を含むボディーソープよりも、殺菌・消毒効果のある固形石鹸がお勧め、とアドバイスをいただいた。
これから花見の席など、人前で靴を脱ぐ機会も増えてくる。自分だけならまだしも、人に嫌なニオイをかがせてしまっては、せっかくの宴席も台無しだ。毎日のちょっとしたケアで防げることなので、悩んでいる方は実践していただきたい。