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習近平氏 江沢民氏とプーチン氏会談演出は自身の実績作りか

 中国の江沢民元国家主席が上海でプーチン・ロシア大統領と会談した様子が中国メディアによって報じられた。最高指導者だったとはいえ、これまでは引退した幹部が公の場で外国のトップと会談したことが報じられることはなく、極めて異例といえる。例外は最高実力者だったトウ小平氏くらいなもので、ネット上では「江沢民はトウ小平と同じくらい偉いのか」と皮肉る書き込みがみられる。中国専門のインターネットサイト「多維新聞網」が報じた。

 北京の党幹部によると、実は江氏にプーチン氏との会談を進めたのは習近平・国家主席だったという。

 江氏のホームグランドでもある上海で、アジア信頼醸成措置会議(CICA)の首脳会議が開かれたことで、習氏が気を利かして、プーチン氏に江氏との会談を打診したところ、プーチン氏も大統領就任後、外国首脳との初会談の相手が江氏だったこともあって、即座に快諾した。

 党機関紙「人民日報」は2人の会談を「不忘老友(古い友人を忘れない)」との見出しで、写真付きで大々的に伝えた。

 引退幹部は外交活動を行なわないのが慣例で、もちろん外国政府のトップとも会談することはない。唯一の例外がトウ小平氏で、1989年5月のゴルバチョフ・ソ連大統領との“首脳会談”がそれだ。当時の党トップが趙紫陽・党総書記で、トウ小平氏の傀儡だったことは周知の事実だったこともあって、すんなりと受け入れられたが、今回の会見はネットで様々な憶測を呼んでいる。

 実は江氏が引退後、外国要人と会ったのはこれが最初ではない。昨年7月に、キッシンジャー元米国務長官と会談し、その会談内容が中国外務省のホームページで紹介されている。

 その内容は習氏を褒め称える内容だっただけに、習氏を政治的に側面支援する目的があったのではないかとの観測が流れたが、今回の場合も、ベトナムとの紛争問題などで、中国の孤立化が目立っており、「習氏が2人の会談を演出し、自身の政治的な実績作りを狙ったもの」(北京の外交筋)との見方が強い。

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