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若者も増えている 移住生活
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SUUMOジャーナル 編集部
2014年9月18日 (木)

移住を考え始めたらどうすればいいの? 移住セミナーに参加してみた

移住を考え始めたらどうすればいいの?移住セミナーに参加してみた(写真撮影:SUUMOジャーナル編集部)
写真撮影:SUUMOジャーナル編集部

先日、ブロガーのイケダハヤト氏が高知県に移住したことが話題になりましたが、なんとなく移住に憧れを持っているひとも多いのではないでしょうか。かくいう筆者(編集部K)も移住に興味を持ち始めたひとりでしたが、移住実現のためになにから始めようかと思っていたところにたまたま移住セミナーを紹介してもらったので参加してみました。

まずは町の概要や、移住に際して利用できる制度の説明から

筆者が参加したのは有楽町のNPOふるさと回帰支援センターで開催された石川県穴水町の移住セミナー。会場には20名ほどが集まり、リタイア世代らしき男性の姿が目立ちました。あとはファミリーが1組と、20代と思われる人が1名。そして20代の筆者。会場は思ったよりも肩ひじ張らず、リラックスして話が聞ける雰囲気。

まずは穴水町役場の方から「移住定住施策について」という題目で、簡単に穴水町の説明がありました。
能登半島の中央部の海に面した街であること、東京からのアクセス、市街地や別荘地といったエリア構成、気候、医療機関や学校の数、そして具体的な移住支援制度の説明など…。

ここまで聞くと、移住をしてそこで暮らすには家や仕事を探さなきゃいけない、移住支援制度があるなら利用したい…ということも考えるようになり、ふわっと描いていた移住というものを現実的に捉えられるようになりました。

【画像1】セミナー当日の様子。役場担当者の話を聞く参加者(写真提供:穴水町役場)

【画像1】セミナー当日の様子。役場担当者の話を聞く参加者(写真提供:穴水町役場)

移住者の体験談を聞くことで暮らしまでイメージできる

続いて地域おこし協力隊として4月に穴水町へIターンした齋藤さんから“穴水町ではどういう暮らしができるか”というテーマで、移住してからの暮らしについての説明。

「穴水は痩せる暇がない」といわれるほど四季を通しておいしい海や山の地物が食べられること。農作物の収穫やスポーツなど「体験ができる町」だということ。ほかには“よそ者”を受け入れてくれる人が多いなど、現地の人とコミュニケーションをとるなかで感じたことについてもお話されていました。

齋藤さんのお話を聞きながら、穴水町での暮らしがリアルに頭のなかに浮かび、この時点で単純な筆者の移住熱はさらに高まり「穴水に移住したい!」とまで思うようになりましたが、もちろんこれだけで移住を決めるのは短絡的過ぎます。齋藤さんも移住の決め手になったという「ちょい住み体験」などを利用して、希望する移住先がどんな土地なのかを実際に自分の肌で冷静に確かめたほうがいいだろうなと感じました。

また、説明の後は個別相談の時間もありました。せっかく自治体の方に直接話を聞ける機会なので、そこでもっと詳しい情報や、気になったことなどを確認することも大事です。

移住を考え始めたら、まずはSNSで情報収集

筆者の初めの一歩は移住セミナーへの参加でしたが、移住を考え始めたらまずはどんなことから行動してみたらいいのでしょうか?今回のセミナーが開催され、日々多くの移住希望者の相談を受けている「NPOふるさと回帰支援センター」の副事務局長である嵩さんと、主任相談員の宗像さんに伺ってみました。

「最近は以前に比べて移住関係の情報がネット上に多く上がるようになりました。そのなかでもまずはFacebookなどのSNSで情報収集するのをおすすめします。各自治体も力を入れているのですが、SNSは実際に移住したひとのリアルな体験談が書かれていて、直接やりとりをすることも可能なので、よりイメージがしやすくなると思います」(嵩さん)

「やはりネットやこういったセミナーに参加して情報収集をするのが一番です。“憧れ”だけで移住をするのは危険。情報収集を通じて“自分はどういう暮らしがしたいのか”を明確にしていくことが大事になります。
私が相談者におすすめするのは『移住ノート』をつけて、手に入れた情報や自分の希望の暮らし、移住体験をして感じたことなどを整理してまとめること。そうして自分と向き合うことで、初めはぼんやりとしていた“自分のしたい暮らし”も見えてきます」(宗像さん)

第二の人生としての移住から、希望のライフスタイルを叶えるための移住へ

最近は「“都会に疲れて”など否定的ではなく、“都会は都会でいいところがあるけど、自分はこういう暮らしをしたいから移住をする”といった、ポジティブな気持ちで移住を希望する人が増えている」(嵩さん)そうです。

NPOふるさと回帰支援センターの利用者も6年前は50代以上が約7割を占めていたのに対し、昨年は30代~60代がそれぞれ約2割ずつと、移住はリタイア世代のものから、比較的若い層の暮らしの選択肢のひとつになりつつあることが分かります。

【図1】2008年~2013年のNPOふるさと回帰支援センター利用者の年代の推移(東京)(データ提供:NPOふるさと回帰支援センター)

【図1】2008年~2013年のNPOふるさと回帰支援センター利用者の年代の推移(東京)(データ提供:NPOふるさと回帰支援センター)

今回筆者は偶然知ったセミナーに参加してみましたが、「この町は意外な魅力があったから、ほかの町のセミナーにも参加してみようかな」とか、「自分に合った移住先はどういうところなのか考えてみよう」というように、次に何を考え行動するのかが自ずと見えてきたような気がします。

そしてその先の「ここに移住してどういう暮らしがしたいんだろう?」という自分の理想のライフスタイルについても考えるきっかけになりました。

NPOふるさと回帰支援センターでは毎週のように行われる移住セミナーのほか、9月20・21日には東京、10月25日には大阪で開催される日本最大の移住イベントである「ふるさと回帰フェア2014」も主催しています。
また、穴水町でも9月27・28日に移住体験ツアーが開催されるとのことです。(申込締切は9月22日)
移住に興味を持たれている方は参加してみると新たな発見があるかもしれません。

次回はセミナーに参加した穴水町へ実際に移住した方のお話を紹介します。

●NPOふるさと回帰支援センター
HP:http://www.furusatokaiki.net/
●ふるさと回帰フェア2014
HP:http://www.furusatokaiki.net/fair/2014/
●穴水町「移住体験ツアー」
HP:http://www.town.anamizu.ishikawa.jp/anamizu/anamizu_gyosei/kikaku/tubakizaki_2.jsp
https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/3c791b3f9cce17f7ea0b421f63323f3f.jpg
若者も増えている 移住生活 若い世代に広がりつつある移住。理想のライフスタイルについて考えてみませんか? 各地でもさまざまな取り組みがあります。
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