団地では、最近「リノベーション」や「DIY」が盛んに行われていて、若者を中心に注目を集めつつあります。今回、原状回復が原則不要になるDIY住宅を供給するUR都市機構が、「箕面粟生(みのおあお)団地」で、工具類などが充実したDIY COBO(工房)とバーベキューガーデンをオープンさせました。
賃貸でできるDIY文化を広めるために計画された、「DIYキャラバンツアー2014」の第1弾も兼ねたオープニングパーティーに密着してきました。
今回お披露目になったのは、団地住民の新たなコミュニティスポット「DIY COBO」と「BBQガーデン」。「DIY COBO」については、以前当ジャーナルでもお知らせした「UR DIY部」による施工(https://suumo.jp/journal/2013/08/07/49596/)。
DIY COBOという名前は、“DIYで人が集える場所”という意味を込め、DIY COmmunity BOxを略してDIY COBOと名付けられたそう。
施工したDIY部員にお話を伺うと、「DIY住宅をご契約いただいたお客様の声として、 “家ではスペースがなかったり、部屋が汚れそうで気になる”、“工具をそろえるのは大変”というものがありました。そこで、団地の真ん中にある集会所でDIYができる場所を創ったらいいかも!と思い、あまり使われていなかった和室をDIY COBOとして生まれ変わらせることにしたんです」とのこと。
見学した住人からは、「工具がすごく充実してるし、作業台もあって広さも十分。家が汚れずにDIYが楽しめそう」との声が。管理事務所に申し込みをすれば1時間220円で工具・COBOが自由に利用可能です。
また、今回の工房にある工具のセレクトに協力しているのが、DIY FACTORY OSAKAを運営している(株)大都。使い勝手の良い実用的なものをプロの目線でセレクトされたそうです。
BBQガーデンでは、BBQ芸人のたけだバーベキューさんをお呼びしたBBQ講座も行われていました。1ポンドステーキ、焼き野菜のバーニャカウダ、しいたけのおいしい焼き方、マシュマロを使ったデザート、などなど筆者も楽しく&おいしく参加者のみなさんと食事ができました。
箕面粟生団地にお住まいのシニア夫婦にお話を伺うと、「団地のみどりはほんとに気持ちいい。今回BBQガーデンやDIY COBOをつくってくれたことは住民としてはすごくうれしい」とのこと。たしかにプライベートガーデンのような雰囲気のBBQガーデンは団地のお友達が集まって楽しめる雰囲気があると感じました。
今回のお披露目イベントでは、DIY FACTORY OSAKA、大阪市立大学大学院による、木製キットを使った工作ワークショップや団地の廃材を使った額縁づくりも行われていました。
額縁づくりは小さなお子様連れからご夫婦までいろんな方が参加していて、思い思いの廃材を選んで、色を塗り、DIY工房に配備されたインパクトドライバーで組み立てて完成。これをきっかけにDIYの楽しさに目覚めて、DIY工房の利用が増えていくかも。
また、箕面粟生団地でDIYモデルルームを制作し、団地DIYブームの火付け役となったカリスマDIY主婦のKume MariさんとUR DIY部部長の小正さんのトークイベントもありました。Kume Mariさんが出版された書籍の裏話や、DIYに対する思いなどがたくさん話題に上がり、「賃貸でDIYを日本の文化に」がお二人のトークイベントのしめくくりとなりました。
今回、イベントに参加してみて思ったのは、「団地の空間はすごく豊か」ということ。特に箕面粟生団地の集会所はテラス側に面して緑や木々が心地よく広がっています。「元々、この集会所の付近の雰囲気を見たときから、いつかこんな団地の楽しみ方をお客様に提案して、団地ライフをもっと楽しんでもらいたいと思っていました」(UR都市機構団地マネージャー西山さん)
古くから箕面粟生団地にお住まいの方にお話を伺うと、「何ができるのかと見てたんやけど、まさかこんなことができるようになるとは。すごくいいと思う。これからも楽しみやね」とのことでした。
DIY住宅がスタートし、若い年代の入居も増えたという箕面粟生団地。既に約30世帯の入居があるそうで、新たな団地の住まい方が始まっている様子。また、既にBBQガーデンの利用申し込み・問い合わせも入っているそうなので、DIY COBOでDIYを楽しみながら、BBQで仲間の団欒、という日も近いかもしれません。DIY COBO、BBQガーデンがこれからどのように使われていくのか楽しみです。