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良好な日露関係が中国への「牽制」になる、と鈴木宗男氏指摘

 6割を超す得票率で圧勝し、プーチン首相がロシア大統領に復帰した。日本はプーチン新体制とどう対峙すべきなのか。かつてプーチン氏に向き合ったことのある新党大地・真民主代表の鈴木宗男氏と、作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏が語り合った。

――プーチン体制になって日露関係はどう変わるか。ポイントはどこになるのでしょう。

佐藤:私は、陰の主役は中国になってくると見ています。プーチンが柔道家で親日感情がある、などと言われますが、日露関係にとってはあくまで二次的、三次的な要素です。

鈴木:私も同じ考えです。中国は発展を続けるために、「ロシアの資源」を欲しがっている。ただ、ロシア側には国境を接している中国の膨張を警戒している面があります。特にプーチンさんにはその意識が強い。日露がしっかりいい関係になることは、ロシアにとって、中国への牽制になるわけです。この構図を理解することが大切です。

佐藤:今、鈴木さんが「牽制」と言いました。まさに「対中牽制」というのが、プーチン政権になった時の日露接近の隠されたキーワードなんです。これはなかなか表に出てこない。牽制する時に、「おまえを牽制します」とは絶対に言わないですからね。

 ただ、プーチンの行動を細かく見ると、その対中スタンスがわかる。例えば天然ガスに関して、日本には提供するとどんどん言ってくる。ところが、エネルギーをのどから手が出るほど欲しがっている中国に対しては、「ガスは最重要問題じゃない」と受け流す。

鈴木:日本政府にはその認識を持ってもらいたい。去年の東日本大震災の時に、いち早くプーチン首相が、「油でもガスでも、日本に必要なものは全部出す用意がある」とメッセージを出しました。とても重要なことですが、日本政府はそれを受け止めることができなかった。

※SAPIO2012年4月4日号

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