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50歳から考える、老後の暮らし
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田島 久也
2013年10月17日 (木)

人生を楽しみたいシニアが続々と「稲毛」に集結!?

日本初のアクティブシニアタウン「スマートコミュニティ稲毛」(画像提供:スマートコミュニティ稲毛)
画像提供:スマートコミュニティ稲毛

千葉県稲毛駅から車で約15分、国道16号線を北上し、緑が映える千葉県総合スポーツセンターを抜け、ワンズモールという大きなショッピングセンターを越えたあたりに話題の施設はあった。名称は「スマートコミュニティ稲毛」。ここは日本で初の「アクティブ」シニアコミュニティだ。

長寿命国日本に生まれたシニアの本音に応えた初のアクティブシニアタウン

超高齢社会を控える日本社会。老後の数十年をいかに豊かに過ごせるかどうかが、多くの人たちにとって重要な課題になっている。平均寿命は男性で79.94歳、女性は86.41歳。男性が世界で第5位、女性は1位という長寿命の日本では仮に60歳で退職すると20年~25年ものシニアライフが待っている。この時間は莫大だ。

例えば子どものために家を買った35歳のファミリーの20~25年後を考えると、父は退職間近、子どもは家を出ている可能性も高い。それほどの長い時間スパンの話にも関わらず、シニアの暮らしでイメージするのは、別荘とか田舎暮らしといったもの、あるいは足腰が立たなくなってからの介護施設かといった程度のものが多い。

田舎暮らしや別荘ライフも憧れはあるものの、将来体がいうことをきかなくなったときを考えると不安があり踏みきれない。住み慣れた街も悪くはないが刺激はない。また最近では独身のシニアも多くなってきている。

スマートコミュニティ稲毛は、まさにそんなシニアのホンネに答えた日本初のアクティブシニアタウンだ。元気なシニアたちが集まり、各々が充実したセカンドライフを楽しむ街。日本ではまだ馴染みがないが、海外、主にアメリカでは半世紀近く前から温暖なリゾート地を中心に登場している。そこに住むシニアは、同じ価値観をもつ仲間たちが集まってコミュニティを形成し、ゴルフを楽しんだり、趣味を満喫している。

ゴルフ・エクササイズ・陶芸…多岐に渡るアクティビティ。最近のブームは「脳トレ麻雀」

スマートコミュニティ稲毛は、東京ドーム2.5個分の敷地に、居住棟、クラブハウス、グラウンドが設置された施設からなっている。居住棟は分譲マンションとなっており、将来譲渡や売却することができる。コミュニティへの入会には審査があり、50歳以上で健康的に自立した日常生活が送れるなどの条件がある。

クラブハウスがこの施設の最大の特徴。入居するシニアが日常を楽しむ舞台である。ここでは、毎日の食事を楽しむ空間をはじめ、卓球やビリヤード台が置かれたスポーツ施設、カフェ&バー、趣味やカルチャーのブース、読書コーナー、アミューズメントコーナーなどがある。
新しい趣味を見つける絶好の場であると同時に、住人同士の横のつながりが生まれる場ともなっている。取材時に聞いた話では隠れた人気コンテンツは「麻雀」。賭け麻雀ではなく「脳トレ健康麻雀」にハマっている女性が多いとか。

人生を楽しみたいシニアが続々と「稲毛」に集結!?

【画像1】スポーツジムで体づくりに励む入居者のみなさん(画像提供:スマートコミュニティ稲毛)

人生を楽しみたいシニアが続々と「稲毛」に集結!?

【画像2】卓球などで体を動かしながら交流を深めている(画像提供:スマートコミュニティ稲毛)

グラウンドは7万4000㎡以上の広大な敷地からなるエリア。野球場が2面、天然芝のサッカー場が1面、テニスコートが6面、さらにジョギングコースや打ちっ放しのゴルフ練習場がある。グラウンドの周囲は豊かな緑に囲まれており、花見やピクニック、スケッチを楽しむこともできる。ここもクラブハウスと同様に趣味やコミュニティを形成できる場であり、また身体を動かすことで健康的な生活を送ることもできる。

人生を楽しみたいシニアが続々と「稲毛」に集結!?

【画像3】ゴルフ好きにはたまらない施設も(画像提供:スマートコミュニティ稲毛)

スマートコミュニティ稲毛では、先述したハード面の充実だけでなく、ソフト面での取り組みも多数実施されている。例えば、毎日開催されているさまざまな体験会やイベントがそのひとつ。陶芸教室や蕎麦打ち、フラワーアレンジメントなど、これまでやりたかったけど機会に恵まれなかったようなことに挑戦できるため、新しい趣味や生きがいを得ることもできる。また、食事面では朝晩に老舗料亭「なだ万」が監修した料理を楽しめ、コミュニティ内にはクリニックがあるなど、健康面でも手厚いサポート体制が構築されている。

人生を楽しみたいシニアが続々と「稲毛」に集結!?

【画像4】新しい趣味として人気の陶芸教室(画像提供:スマートコミュニティ稲毛)

大型商業店舗をリノベーションでコストを抑え、リーズナブルに楽しめる

ここまで聞くと気になるのはそのお値段。分譲マンションは33㎡台のタイプで最多1400万円台、70㎡台のタイプでは最多2800万円台。これに月々8万9000円(ひとり暮らしの場合)の施設利用費が必要なのだが、この費用を抑えるためにいくつかの経営努力がある。例えば共用棟のクラブハウス、実は元はイトーヨーカドーの大型店舗。新築ではなく既存施設をリノベーションする形で活用してコストを抑えているのだ。また、この中には朝夕の「なだ万」の食事費用も含まれている。

スマートコミュニティの代表取締役社長・染野正道氏にこの事業へのコダワリと展望を聞いた
「快適なコミュニティをどれだけ上手につくれるかということに重点を置きました。学生時代に学食に行くと、この時間帯ならあの人がいるだろうと分かるような、常に友人同士が触れ合える環境がありましたよね。24時間を通じて必ずどこかにコミュニティがある環境を提供することができれば、知的刺激にもなれるし、元気に過ごせますから。このようなライフスタイルがあることをまだほとんどの人がご存じないので、早く一般常識にしたいですね」

スタートして3年半。契約は順調に進んでおり既に500人以上がアクティブなシニアライフを楽しんでいる。今、建築中の3棟目を現在は販売中でまだまだ入居者は増える予定だ。クラブハウスもまだ1Fしか使っておらず2Fが来春オープンの予定。都心から約1時間のザ・郊外住宅地にあらわれたシニア向けレジデンス。日本のシニアライフを変える先進の取り組みは順調に成長している。

●スマートコミュニティ稲毛
HP:http://www.smartcommunity.co.jp/
https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/97a65f66c5eb17fd1c8864b5df4b1da1.jpg
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