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やまくみさん正方形
山本 久美子
2011年6月10日 (金)

50歳以上の23%が住む「バリアフリー住宅」って?

■50歳以上の23.2%がバリアフリー住宅に居住

50歳以上の23%が住む「バリアフリー住宅」って?

(株)ライフメディアが50歳以上の全国男女に調査(5月7日~12日実施)した結果、バリアフリー対策をした住宅に23.2%が住んでいることが分かった(図1参照)。
また、バリアフリー住宅に住んでいない76.8%の人のうち、69.8%がバリアフリー対策は必要(「必要だと思い、準備をしている」2.6%、「必要だと思うが、まだ何もしていない」67.2%)と回答している。

では、実際にどんなバリアフリー対策をしているのだろうか? 調査結果では、「手すりの設置」「段差をなくす・スロープにする」「トイレなどの水まわりを使いやすくする」が圧倒的に多い(図2参照)。

50歳以上の23%が住む「バリアフリー住宅」って?

バリアフリー住宅とは、段差をなくして手すりを付けるなど、高齢者に配慮した住宅と思われているが、そもそもバリアフリーとは、どんな意味かご存じだろうか。「バリア」は障壁を「フリー」は取り除くこと、つまり障壁となるものを取り除き、生活しやすくすることを意味する。高齢者の住宅内における事故は、「浴室内の溺死」や「つまずき・よろめきによる転倒」が多いと言われている。こうしたバリアを取り除くためには、次のような設計の工夫をするのがよいと考えられている。
・トイレ、洗面所、脱衣所、寝室などの床や出入り口の段差を無くす
・トイレや浴室、階段などに手すりを付ける
・階段は急勾配にならないように、緩やかにする
・滑りにくい床材を使う
・高齢者のいる階は、寝室とトイレを近くする
・廊下や部屋の出入り口の幅を車椅子が通れる広さにする
・浴室やトイレは介護者が入れるように広くする

一方で、年齢や障害の有無などにかかわらず、最初からできるだけ多くの人が不便を感じることなく、快適に暮らせる環境をつくるという、ユニバーサル(万人の、普遍的な)デザイン(設計、デザイン)という考え方も普及している。これにより、大型スイッチやレバーハンドル、またぎやすい高さの浴槽など、安全であることはもとより、使い方が簡単で、無理な姿勢をとることなく少ない力でも楽に使用できる商品が次々と開発された。

最近のバリアフリー対策には、ユニバーサルデザインの考え方も取り入れられているため、実際には高齢者に限らず、小さな子どもや妊婦、怪我をした場合などでも暮らしやすい住宅になる。ただ、若い世帯で廊下や玄関に手すりがあると、かえって邪魔になるということもあるだろう。スペースを確保し、後付けできる下地補強さえしておけば、必要な時期に設置することは可能だ。

高齢化が進む日本では、高齢者や介護に配慮した住宅という点でバリアフリー住宅がクローズアップされているが、高齢者に限らず、家庭の状況に応じた暮らしやすさを求めて、設計上の工夫をすることは当然求められるべきであろう。

■(株)ライフメディアの調査結果
http://research.lifemedia.jp/2011/05/110517_house.html

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