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賃貸でも部屋をカスタマイズ!
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hato
2014年4月15日 (火)

賃貸の未来形。カスタマイズ&DIYで育てる「青豆ハウス」がおひろ芽!

マルシェが開かれた共用部。DKのある2階で各戸をつなぐ(撮影:岡田夫妻)
撮影:岡田夫妻

新築の賃貸住宅でありながら、完成前に満室となった『青豆ハウス』(メゾン青樹×ブルースタジオ)。入居者がカスタマイズ&DIYで完成させたお部屋と、内覧会「おひろ芽マルシェ」の様子をご紹介します!

内覧会の来場者750人。地域に開かれた「小さなまち」としての賃貸住宅

以前、上棟式をご紹介した(https://suumo.jp/journal/2013/09/13/51572/)練馬区田柄の新築賃貸住宅『青豆ハウス』が完成し、3日間の内覧会と記念イベント「おひろ芽マルシェ」が開かれました。「住む人、集まる人がみんなで育てる共同住宅」をテーマに、工事中からたびたびイベントを開催。入居内覧を兼ねるとともに、地域住民をはじめさまざまな人々の集まる場としてまちに開かれてきました。

今回のイベントはマルシェ=市場やまちをテーマに、手づくりの暮らしを楽しむ材料・雑貨などのお店が共用スペースに立ち並びました。来場者は1日で300人超。3日間の内覧会来場者約450人とあわせて約750人以上の人が、この8世帯17名が暮らす賃貸住宅を訪れたことになります。

賃貸の未来形。カスタマイズ&DIYで育てる「青豆ハウス」がおひろ芽!

【図1】広々とした畑を見渡す共用デッキや居室バルコニーで思い思いに過ごす来場者たち

入居したのは、二人暮らし7組と小さな子どものいる3人家族が1組。うち4組がここへの入居が同居や結婚のきっかけになったそう!「シェアハウスを卒業した人が暮らしたいと思う、家族向けのシェアハウスを」というコンセプト通り、シェアハウスで出会って結婚したというカップルも。

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【図2】青豆ハウスの入居が決め手になり結婚の日を決めたというカップルのコメント

入居者自身が育てる部屋。賃貸でも新築でも、カスタマイズ&DIY

隣には広々とした区民農園。東京には珍しく広い空を仰ぐ恵まれた立地もさることながら、空に向かって伸びていく豆の木をモチーフに、らせん状に絡み合う木造の3層メゾネットは他にはない個性です。
でもそれ以上に“ここにしかない”個性は、実は入居者自身がDIYで仕上げたお部屋。入居に先立ち、住人自身が壁の色や壁紙、キッチンタイルや水栓、ブラインドの色などを選ぶカスタマイズツアーを開催。さらにプロによるワークショップ形式で、自分たちで3フロアすべてのアクセントウォール(お部屋の一部だけ色柄を変え、文字通りアクセントにした壁)を塗り、トイレの壁紙を貼ったのです。

賃貸の未来形。カスタマイズ&DIYで育てる「青豆ハウス」がおひろ芽!

【図3】自分たちで選んだ色を自分たちの手で

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【図4】壁紙を貼るのは初めての入居者がほとんどだった

この日、公開された各部屋には「この家を選んだ理由」と「どんな暮らしをしたいか」といった入居者のコメントとともに、入居後に使いたい食器や雑貨などが、さながらギャラリーのように展示されました。

賃貸の未来形。カスタマイズ&DIYで育てる「青豆ハウス」がおひろ芽!

【図5】結婚したばかりのご夫婦のお部屋には、旅行先で見つけたおそろいのカップ

マルシェには実際の部屋で使われた塗料「ポーターズペイント」、輸入壁紙「WALPA」、DIYではありませんが床材に使用された「ニシアワー」などが出店。完成した部屋を内覧した来場者が、材料を手に取り、その場で買うこともできる仕掛け。

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【図6】居室で使われた素材や材料を、見て触って買える仕掛け

「どこに住むか」ではなく「どういう暮らしをしたいか」

入居者のDIYカスタマイズによって仕上げる賃貸。当然、完成前に入居する人が決まらなければできません。さらに家賃は相場の1.3〜1.5倍。普通に見ればハードルの高すぎる条件に見えますが、完成前に満室となったカギは何だったのでしょう?オーナーであり、青豆ハウスを企画した株式会社メゾン青樹・青木純さんに聞きました。

「確かに部屋だけの坪単価を見たら高めかもしれませんが、入居を決めた方たちはウッドデッキやピザ窯のある庭といった共用部、周辺環境を含めた“住空間全体”に対する家賃と考えてくださっていると思います。
そもそも周辺相場は“どこで住むか”という考え方です。でも “どこで”ではなく“どういう暮らしをしたいか“を一番に考える人が支持してくれた。
そのために、完成前からイラストやブログ等を通じて、ここでどんな暮らしができるのかという世界観をしっかり伝えてきた。それに共感して頂けたことも大きな理由だったと思います」

これから青豆ハウスがどんな風に“育って”いったらいいと思いますか?

「住人の皆さんには、(賃貸であっても)本当に自分の家だと思って暮らして欲しいですね。ここでの暮らしをより豊かに、色鮮やかに時間を重ねていって欲しい。
青豆ハウスのロゴは、8枚の異なる葉っぱをつけた一本の木。自分はその葉っぱの1枚だと思って、長く暮らしてくれたらうれしい。長くいるほど、ご近所と仲良くなったり、このまちで働くようになったり、お友達ができたりするかもしれない。そういう営みや関わりあいがまちを楽しくしていくと思います。
そして、いずれ住人の皆さん自身が青豆ハウスの暮らしを語る“語り部”になって、次の住まい手へと受け渡していってくれたらいいな、と思っています」

賃貸の未来形。カスタマイズ&DIYで育てる「青豆ハウス」がおひろ芽!

【図7】夜になると、部屋ごとに違う壁の色が色とりどりの灯りのよう

賃貸であっても住む人に開かれ、住宅であってもまちに開かれた、みんなで育てる共同住宅「青豆ハウス」。そのコンセプトには「まちの木陰のような賃貸住宅」と書かれています。まだ“発芽”したばかりですが、これからどんな成長を見せてくれるのか。今から楽しみで仕方ありません!

●青豆ハウス
HP:http://www.aomame.jp/
●メゾン青樹
HP:http://www.maison-aoki.jp/
●ブルースタジオ
HP:http://www.bluestudio.jp/
https://suumo.jp/journal/wp/wp-content/uploads/2015/05/8570a75b41221990e33474714d10df5a.jpg
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