固定電話の契約数は年々減少傾向にあるが、固定電話を持たないことでいろいろなデメリットもあるという。その3つの例を紹介しよう。
都内在住の主婦A子さん(30代)は、夫と幼稚園に通う長女(4才)の3人暮らし。A子さんが今春からパートを始めて自宅に誰もいない時間が長くなったことをきっかけに固定電話をやめた。そして夏、長女の誕生日会を開こうとした時に、解約を後悔したという。
幼稚園のお迎え時、長女の友達に手作りの招待状を配っていたら、あるママ友から「念のため、A子さんの電話番号を教えてもらえる?」と言われた。A子さんは携帯番号を教えたが、ママ友はこう続けた。
「携帯電話だけだと不安なので、自宅の番号もお願いします」
A子さんが話す。
「うちには携帯しかないと伝えたら、『電話もひいてないんですか!?』と驚かれました。一般家庭は固定電話があって当たり前ということなんでしょう。携帯電話のみでは、社会的信用がないんでしょうか…。娘のために再契約しようか考え中です」
固定電話には大抵FAX機能が備わっている。固定電話を解約した関西地方のB子さん(50代)は今夏、その機能がなくて困ったことがあった。
「夏休みに東京で1人暮らしをしている大学生の長男が帰省しました。帰省中にやらなければ間に合わないレポートの資料を下宿先に忘れてきてしまったんです。長男はあわてて、同じ資料を持っている同級生に連絡したら、FAXで送ってくれるということでした。
でも、わが家にはFAXはありません。お向かいのお宅にお願いして、そこにFAXを送ってもらいました。ご迷惑をかけるから、用紙を一束買って持って行き、おまけにケーキもつけました。わずか数枚の資料のために、散財をしました(苦笑)」(B子さん)
都内在住のC子さん(50代)の長女は、大学進学をきっかけに昨年春から北海道で1人暮らしをしている。当初、携帯電話だけでなく固定電話も自宅に置かせたが、必要がないと今年初めに解約した。
「娘に最近彼氏ができたんです。古い時代の考えかもしれませんが、嫁入り前の娘ですから、毎日きちんと自宅に帰っているのか確認したい。
携帯電話だと居場所がわかりません。彼氏の家に泊まっていてもウソをつけばわかりませんからね。その点固定電話だったら、家にいないと出られない。再契約をしようかと思っています」(C子さん)
※女性セブン2014年11月20日号