平成24年度税制改正法案のうち租税特別措置法の一部を改正する法律が、3月30日に成立した。住宅関連税制では、期限切れを迎える優遇制度の延長がほとんどだが、省エネ住宅に対する優遇制度が加わった点が大きな目玉だ。
住宅関連税制の主な内容は表のとおり。
地球温暖化の主な要因である二酸化炭素の排出量を減らすことができる、省エネ性の高い「低炭素住宅」に対しては、通常の住宅よりも住宅ローン控除や登録免許税の優遇枠を拡大することになった。住宅ローン控除額は、通常の住宅の場合より100万円多い最大400万円となる。
(低炭素住宅については、「省エネ住宅なら減税拡大!低炭素まちづくり法案を国会提出、24年度税制改正法案は衆院通過」を参照)
また、子ども世帯が住宅を購入する際に、親や祖父母から資金の贈与を受けやすくするための贈与税の非課税制度が段階的に縮小されるが、3年延長された。ただし、政策上の課題である住宅の省エネ化、耐震化を促進するために、一定の要件を満たす住宅の場合に非課税枠を拡大することになった。
親子間の贈与に限られるが、相続時精算課税制度の住宅取得等資金の特例も延長されたので、非課税枠を超えて贈与をする場合は選択肢となるだろう。
一方、既にマイホームを保有していて買い替えをする際に、売却益や売却損が出た場合の優遇制度も2年延長された。バブル崩壊後に住宅価格が下落し、買った額よりも安くしか売れないため、買い替えできないという人が続出した。その救済策として、損失が出た場合に手厚い優遇制度を設けたのだが、これらの制度も延長されたので、買い替えを検討している人たちには利用できる優遇制度の選択肢が豊富な状況が続くことになる。
このほか、認定された長期優良住宅に関する優遇制度も、ほぼ現行のまま2年延長されたほか、不動産取得税の軽減、固定資産税の新築住宅の減額なども延長された。
このように、ここ数年は住宅を取得する際の好環境が続く。マイホームを検討している人は、この機会を上手に活用するとよいだろう。