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連載今週の住活トピック
やまくみさん正方形
山本 久美子
2013年6月5日 (水)

女性向けの住宅ローンって、どんなもの? どんな点が女性向けなの?

写真: iStockphoto / thinkstock
写真: iStockphoto / thinkstock
【今週の住活トピック】
女性向け住宅ローン「凛next」の取扱開始について/りそなホールディングス

http://www.resona-gr.co.jp/holdings/news/newsrelease/pdf/20130528_2a.pdf

りそなグループのりそな銀行と埼玉りそな銀行は、6月3日から女性向け住宅ローン「凛lin」(りん)の商品改定を行い、「凛next」として取扱を開始すると発表した。では、女性向けの住宅ローンとは、どういったものだろうか?

りそなグループの女性向け住宅ローンの特典とは?

女性が住宅ローンを利用して、住まいを購入することは、珍しいことではなくなっている。シングル女性がマイホームを購入する場合や、共働きの妻が自分でも住宅ローンを借りる場合などだ。アベノミクスでも成長戦略に「女性の活躍」を挙げるなど、今後も女性が注目されていくと考えられる。

こうした背景を受けて、りそなグループの「凛next」は、さらに女性が利用しやすいように、既存の女性向け住宅ローンを改定した。具体的には、2割以上の頭金が必要としていた条件を撤廃して頭金の制約を無くしたり、金利優遇幅を従来よりも拡大し、最大で店頭金利から1.7%割り引く(ただし、保証料は別途必要)など。

女性ならではの特典としては、女性の多くがローン返済時に不安に感じる事態に保険を付帯している。病気やけがで30日を超えて入院する場合、返済額とほぼ同額の保険金が最長3年間支払われる「返済支援保険」の保険料を無料とするサービスを継続し、がんや急性心筋梗塞などの「3大疾病保障特約」(任意加入)の保険料を従来の金利に0.25%上乗せから、0.15%上乗せに引き下げる。

ほかにも、「繰り上げ返済の手数料」を無料にしているので、コツコツ貯めて繰り上げ返済しようと思っている女性にはうれしい特典となる。

女性向け住宅ローンといっても、商品内容は千差万別

りそなグループ以外にも、女性向け住宅ローンを提供している金融機関は多数ある。しかし、その内容は金融機関によって千差万別。それぞれのローンの特徴を理解して、自分に適したものを選ぶことが大切だ。

女性向け住宅ローンでは、「女性ならではのさまざまな特典」が付いているもののほか、契約社員の女性でも「借りやすくしている」ものがある。例えば、融資条件のうち、年収や勤続年数の条件を引き下げるなどだ。ただし最近では、男性の契約社員も増えていることから、女性向けというより、契約・派遣社員向けの住宅ローンも新たに登場している。

では、実際に、どういった女性向けの住宅ローンがあるのか、いくつか紹介していこう。

●女性向けの住宅ローンの例
 
○三井住友信託銀行(旧 中央三井信託銀行) 「エグゼリーナ」
「ローン返済支援特約付医療保障保険」(当初10年間で入院給付金日額1000円)が無料で付帯できるほか、繰り上げ返済の手数料が無料になる。出産後1年間に限り、0.1%の特別金利優遇があることも大きな特徴。
http://www.smtb.jp/personal/loan/house/cmtb/for-woman.html
 
○八千代銀行 「プリンセス」
勤続年数2年以上、年収200万円以上、マンションの場合は床面積30m2以上から利用可能。出産・育児休暇中、最大1年間で利息のみの返済が可能。また、繰り上げ返済手数料無料または、24時間対応のハウスサポートサービスのいずれかを選択できる。
http://www.yachiyobank.co.jp/kojin/loan/jutaku/princess.html
 
○スルガ銀行(ゆうちょ銀行)「夢舞台 働く女性応援型Ⅰ・Ⅱ」
スルガ銀行の住宅ローンを、ゆうちょ銀行が代理店として窓口になり、取り扱っているもの。女性向けローンとしては、ⅠとⅡの2タイプがある。Ⅰ型は繰り上げ返済手数料が無料、Ⅱ型は勤続年数や経営年数を問わず、担保評価額の100%まで融資が受けられる。
http://www.surugabank.co.jp/yl/hl/lineup05.html#HL01
  
(出典:2013年5月末時点の各金融機関のホームページより抜粋)

ほかにも、保険を付帯したり手数料を無料にしたりといった女性向け住宅ローンがあるほか、女性にうれしい家事代行や宿泊、レジャーの優待割引の特典を通常の住宅ローンにセットした女性向け住宅ローンなどもある。

女性だから女性向けの住宅ローンがお得、とはかならずしも限らない。通常の優遇金利と比べ、金利が同程度だったり、不利だったり有利だったりするうえ、選択できる金利のタイプが限定されるものもある。本当に自分にとって必要なサービスが付帯されているのかなどを、よく見極めるのがよいだろう。

また、個人で別に保険に加入することもできるし、契約社員だと通常の住宅ローンがいっさい借りられないということでもない。住宅ローンにはさまざまな商品があり、審査基準や条件、サービスが違うことを理解しておけば、自分に適した住宅ローンを選ぶことができる。その意味でも、利用できる住宅ローンのひとつとして、女性向けの商品があることを覚えておくとよいだろう。

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