国際情報

韓国で日本食ブーム 回転寿司や和風居酒屋がカップルに人気

 反日かまびすしいはずの韓国で、日本食が新たにブームなのだという。産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏がレポートする。

 * * *
 日本では反韓感情の高まりでコリアタウンで知られる東京・新大久保は閑古鳥が鳴いていると聞く。しかし一方の反日・韓国では日本料理が人気で隆盛を極め、開店が相次いでいる。また、韓国を訪れる日本人観光客は減っているが、逆に日本では地震・放射能の風評被害で減っていた韓国人が戻りつつある。
 
 韓国の反日は昔からで、最近ことさら盛り上がっているわけではない。マスコミや政治・外交を除けば街では反日は見当たらない。「反日慣れ」した一般国民は「それはそれ、これはこれ」で“日本”を楽しんでいる。
 
 しかし日本では、なにかと韓国が目に付くようになったせいか、昔の差別・偏見とはまた違った新たな反韓が起きているようだ。ソウルから眺めると、今や韓国の反日より「それはそれ、これはこれ」が通用しなくなった日本の反韓の方が気になる。
 
「韓国人は世界一反日で世界一親日」というのがかねてからの筆者の持論だ。たとえば韓国は昔から世界でもっとも日本料理店が多く、世界でもっとも日本料理が好きな人たちだ。
 
 韓国では日本料理を「日式(イルシク)」といってきた。韓国料理は「韓式」で洋食は「洋式」だ。ところがこれまで韓国の日本料理には問題があった。
 
 北京勤務からソウル勤務になった日本人ビジネスマンは「日本料理は北京の方がうまい」とよく言っていた。つまり韓国の日本料理は韓国化されたところがあって本物を食った気がしないというのだ。たしかに日本料理にキムチや生ニンニクは合わないし、刺身も白身だけを山盛りにされては日本料理にならない。
 
 韓国の日本料理は大衆化し過ぎて韓国風にアレンジされたため、不味くなってしまった。一方、中国では日本料理は完全に外国料理として存在しているため、本場に近くてうまいというわけだ。
 
 韓国はそれがわかったのか、近年、新たな和食ブームが起こっている。豊かになって本物(つまりブランド)志向が強まったのだ。和食の「美しさ」や「ヘルシーさ」は韓国社会に洗練されたものとして圧倒的人気なのだ。
 
 政界は反日が大好きなのに昔から会食となると「日式」料理店を好んで使った。今でもそれは変わらないが、行く店が変わった。みんな高級寿司屋でやっている。大衆には回転寿司や和風居酒屋が大人気で、特に若いカップルにはそれがカッコいいデートコースになっている。屋号も純和風の平仮名が多く、赤提灯となって軒下にかかっている。大学の周辺など若者街ではラーメン、タコヤキも定着した。

※SAPIO2014年5月号

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
JALの元社長・伊藤淳二氏が逝去していた
『沈まぬ太陽』モデルの伊藤淳二JAL元会長・鐘紡元会長が逝去していた
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン