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ベトナム、フィリピン等中国と問題ある国は日本支持の声強い

 南シナ海の領有権を巡って示威活動をエスカレートさせる中国に対し、ASEAN各国首脳が「深刻な懸念」を示した。東南アジアではここ数年、急激な経済成長や、各地に根付く華僑社会を背景にして中国の存在感が増していた。だが、「カネ」と「コネ」だけでは信頼を得られなかったようだ。対照的に日本に対する評価は近年、急上昇しているという。

 中国と距離を置いた国々がこぞって選んだのは日本だった。最も重要なパートナーは日本──。外務省が3月に発表したASEAN7か国(回答2144人)を対象とした調査では、そんな結果が得られた。日本を「最も重要なパートナー」に選んだのは65%。2位の中国(48%)、3位のアメリカ(47%)に大きく差を付けている。実は2008年のこの調査では、1位は中国だったのだがあっさりと逆転した。

 ここ20年、不況や災害に日本人は見舞われた。アベノミクスの成果がいくら政府に喧伝されようと、とてもバブル崩壊前の自信を回復したとはいえない。だが、アジアの国々からみれば「技術的に進んだ国」(81%)、「経済力の高い国」(62%)と映るらしい。

 また、調査結果を眺めるとベトナムやフィリピンなど中国との領土問題を抱える国ほど、日本支持の声が強い。中国の膨張政策への反発がそこから感じられる。

※週刊ポスト2014年5月30日号

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