涙にはストレス解消の効果があるといわれるが、泣ける“ツボ”は人それぞれ。今回は、47才の教師が小学4年生の担任をしていた時の運動会でのエピソードを告白してくれました。
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小学校の教師をしています。あれは、私が小学4年生の担任をしていた時のこと。運動会の女子リレー選手をくじ引きで決めることに。すると、クラスでいちばん足の遅い久美ちゃんが補欠に選ばれたんです。文句を言う生徒もいましたが、補欠なので、出番がない可能性もあります。それに、学年でいちばん足の速い優子ちゃんがメンバーに入っていたので、何とかなるだろうと、その時は誰もが思っていたのです。
ところが、運動会当日。優子ちゃんが、リレーの前の競技でまさかのねんざ。補欠の久美ちゃんにアンカーがまわって来たのです。気の弱い久美ちゃんの顔は緊張で蒼白になっていました。それでも「お願いできる?」と言う私に、「やります」と、久美ちゃんは言い切ったのです。
そして、リレーが始まりました。ウチのクラスは、何とか1位を守りきり、久美ちゃんにバトンが渡りました。しかし久美ちゃんはすぐに追い抜かれてしまいました。そのまま、ずるずると3位から4位になり…。ビリで終わるのだろうと、クラスの全員があきらめかけた時、優子ちゃんの「久美ちゃん、まだいけるよ! がんばれ!!」というひときわ大きな声援が響いたんです。
その声に影響されてか他のクラスメートも大きな声援を送るようになり、久美ちゃんにも気合が入ったように見えました。そして、土壇場の追い越しで、なんと結果は2位。1位を取ったクラス以上に大歓声があがったのはいうまでもありません。
走り終えた久美ちゃんが、抜かれたことをみんなに謝ると、優子ちゃんが「久美ちゃんのおかげで2位が取れたんだよ! ありがとう」と一言。クラスのみんなからもほめられ、ようやく久美ちゃんに笑顔が戻りました。
久美ちゃんの覚悟と優子ちゃんの思いやりに、忘れられない運動会になりました。
※女性セブン2014年5月1日号