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iPhone6 他社は売り切れ続出もドコモだけが余る2つの理由

 9月下旬の休日。都内の家電量販店は多くの客で賑わっていた。1階のスマートフォン売り場にいる大半の客のお目当ては「iPhone6」。多くの客でごった返す中、なぜかひとつポッカリと空間が空いていた。ソフトバンクとauは購入希望者が列をなしているが、NTTドコモの列には1人も並んでいないのだ。

 近くに立つiPhone6の「在庫状況」を示す看板は、ドコモの欄だけ「在庫あります」の文字で埋め尽くされていた。一方ソフトバンクとauは売り切れが目立つ。いくつかの家電量販店を回ったが“ドコモ”似たような状況だった。

 iPhone6は9月19日の発売開始から、わずか3日間で全世界1000万台を売り上げ、まずは好調な滑り出しとなった。にもかかわらず、なぜドコモだけ「余っている」のだろうか。店員に聞くと、1日で「ソフトバンクとauは約200台、ドコモは約140台売れた」というから、入荷が多いために余ったわけではなさそうだ。

 スマホ評論家の新田ヒカル氏がこう解説する。

「料金プランの問題でしょう。iPhone6を購入すると、ドコモでは『カケホーダイ』という通話定額サービスに入らなければならない。その分、他社に比べて基本料金が高くなるケースが多いので、通話が少ない人に敬遠される傾向にあります」

 具体的には次のようになる。

●au、ソフトバンク/月額6434円(7ギガバイトまでの高速データ通信込み。別途30秒あたり20円の通話料)

●ドコモ/月額8000円(5ギガバイトまでの高速データ通信込み。通話無料)

 あまり通話せずネット接続が中心の人にとっては、ソフトバンクやauのほうが月額約1600円安く済む。

 もう一つ理由がありそうだ。別の店員はこう語る。

「ドコモでiPhoneを扱い始めたのは昨年9月。その時にiPhoneに買い換えたユーザーは本体料金を2年の分割払いにしている人が多い。まだ1年分の分割払いが残っていて、いま機種変更すると分割払いに対する割引がなくなって負担増になるため『6』を買うことに二の足を踏んでいるのかもしれません」

 もっともドコモは、「他社の売り上げが好調なようですが、私たちも好調です。それほど現状は問題視していません」(広報部)と強気の姿勢だ。

※週刊ポスト2014年10月10日号

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