1回目は東京五輪が開催される2020年ごろ、JR山手線の品川~田町間に新駅ができる計画があると書いた(https://suumo.jp/journal/2013/11/22/55368/)。2回目は新駅誕生と大規模再開発で魅力が高まる品川~田町エリアの資産価値や住環境の変化についてリポートする。
「五輪開催に向けて再開発やインフラ整備が進んで東京のポテンシャルは一段と高まるが、その中でも、最も発展するのが品川~田町エリア(以下、品川エリア)だろう。伝統を守りつつ、革新の努力も怠らない丸ノ内や銀座を含めた東京駅エリアを凌駕しないまでも、品川はそれに次ぐ副都心になる可能性がある」と、東京カンテイの井出武さん。
山手線の新駅誕生、リニア中央新幹線の始発駅が品川、羽田空港の増強によって、品川エリアの利便性は一段と高まる。加えて大規模再開発でオフィス・商業・住居が整備されることで、品川エリアは東京の副都心に躍り出る可能性が高いのだ。
品川駅周辺の新築マンションの坪単価推移(図1・東京カンテイ調べ)を見ると、「品川戦争」と呼ばれたほど新築マンションが大量供給された2007年~09年を除くと、坪単価は280万円前後で落ち着いている。
しかし、「今後は品川エリアの注目が高まり、坪単価は再び上昇に転じると見る」(東京カンテイ 井出さん)。既にデベロッパーによる仕込みは始まっており、近い将来「第2の品川戦争」が勃発してもおかしくない。
「もともと埋立地ということもあり地価は高くなかったが、住環境やインフラを整備し続けることで魅力を高め、資産価値が上昇している。これと同じことが品川エリアでも起こると見る。地価は上昇し、長期的な資産価値も下がりにくい」(同)。
品川~田町エリアの今後10年間の資産価値は、東京の中でも上昇率の高い地域となるのは間違いなさそうだ。
残念ながら、筆者には品川エリアは予算的にもライフスタイル的にも縁遠いが、前述のようにアジアヘッドクォーター特区に指定され、国際都市化も進む品川はグローバル企業に勤務する人や子どもを海外留学させたりするなど海外志向が強い人には魅力的なエリアと言えるだろう。