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日本初の内科・外科混成チーム医療を実現した消化器センター

 消化器は食道から胃、小腸、大腸まで続く管状の構造で、肝臓・膵臓・胆のうなど消化吸収をサポートする臓器も含まれる。食べ物を摂取し、消化した後、栄養分を体内に吸収、排泄までの役割を担う。

 消化器の病気は、日本人に多い胃がんや大腸がん、中高年男性に増えている食道がんなどの悪性腫瘍から、逆流性食道炎、胆のう炎などの炎症性疾患、肝炎などのウイルス性疾患やポリープ、閉塞性黄疸など多くの疾患が発生する。

 症状だけでは最初に消化器内科を受診するのがいいか、消化器外科がいいのか判断に迷うことがある。これを解消するために、日本の大学病院としては初めて、内科と外科の混成受け持ちチームによる消化器センターが誕生した。

 昭和大学江東豊洲病院消化器センター長の井上晴洋教授に話を聞いた。

「例えば、患者さんが内科で早期胃がんと診断され、セカンドオピニオンで外科を受診すると、治療は内視鏡か手術のどちらがいいか迷うことがあります。ここはすべての消化器疾患を対象に、内科と外科の垣根を完全に取り払い、混成の受け持ちチームで診療と治療にあたることで、患者さんに最適な医療を提供しています」

 消化器センターは、部位ごとに上部消化管(食道・胃)診療チーム、下部消化管(小腸・大腸)診療チーム、肝胆膵疾患診療チームの3つに分かれ、それぞれのチームに外科医と内科医が混合して配属されている。

 さらにこの医療施設は、土曜・日曜・祝日にも、初診から外科手術まで通常と変わらない診療を行なっている。従来の医療機関では、一般的に土曜や日曜は急患以外の診療はできなかった。しかしこの施設では、看護師はもちろんのこと、医師もシフト制を導入しており、内視鏡や手術までも、平日と同様に通常対応している。患者本位の医療の実践を行なう医療機関として注目されている。

■取材・構成/岩城レイ子

※週刊ポスト2014年7月18日号

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