住まいの雑学
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出羽恵実子 @エフェクト
2011年8月21日 (日)

肥料や花の苗にも生まれ変わる! 生ゴミの処理・活用法

夏場のキッチンにおける悩みといえば、やはり生ゴミ。帰宅した瞬間、台所から漂ってくるいや~なニオイに、一日の疲れも倍増。消臭スプレーを使用したり、野菜は皮ごと調理してゴミを減らしたりなど、一応の防臭対策はしてみるものの、日中、気温の高い室内に長時間放置される生ゴミたちは、どうしても雑菌の温床になってしまう……。
そんな時、気になるアイテムが、家庭用の生ゴミ処理機。でも、存在こそ知ってはいるものの、そのメリットや値段、購入方法については意外と知らないという人も結構多いのでは? そこで、この家庭用生ゴミ処理機のエトセトラを、いろいろと調べてみた。

家庭用生ゴミ処理機は、大きく分けて2つのタイプがある。1つは、微生物の力で生ゴミなどの有機物を酸化分解する「バイオ式」。微生物による分解は、最終的に二酸化炭素と水になるまで行われるため、生ゴミの減量はもちろん、悪臭もすっきり解消してくれる。しかも、わずかに残った“元生ゴミ”は、栄養満点の堆肥に。ガーデニングをやっている人には、うれしい副産物だ。

生ゴミは自宅で処理できる!

カッカ・ノンノン / 株式会社トーカン

このタイプで人気なのは、株式会社トーカンの『カッカ・ノンノン』。分解能力99%以上という驚くべきパワーを持ったこちらは、有機物をほとんど分解しきってしまうため、入れたゴミはほぼ消滅。何とペットのフンまで投入できちゃうという。また、常温でも活性するバイオを使用しているので、分解時のヒーターも不要。そのため電気代は1カ月で約200円と、かなりリーズナブルだ。購入は、インターネットから申し込み可能。本体に、初期用と補助用のバイオ材、スコップなどの付属品が付いて、6万8250円(税込)で販売されている。

もう一方のタイプは、温風による加熱で生ごみの水分を蒸発させる「乾燥式」。バイオ式は屋外設置型が多いのに比べ、乾燥式は室内に置けるものがほとんどなので、キッチンの中でポイっと捨てられるスマートさが魅力だ。
パナソニック製の『生ゴミリサイクラー MS-N 53/MS-N23』は、このタイプで注目の商品。こちらは、幅26.8cm×奥行36.5cmというコンパクトボディにもかかわらず、最大1~2kgのゴミ処理が可能。また面倒そうなお手入れも、水で洗うだけとラクラクだ。こちらは家電量販店で購入可能。価格は5万1000円台から提供されている。

これらの購入については、住んでいる地域の自治体から購入補助金が支給される場合もあり、平成23年度では、少なくとも全国1047の自治体が何らかの助成措置を行っているそう。支給額は自治体によって異なるが、2万円以上3万円未満の助成金が出るところが多いようだ。支給率や申請方法の詳細については、地域の市町村役場などに問い合わせてみよう。

最後に、そんな家庭用の生ゴミ処理機を実際に使用している、新潟県見附市在住のTさんに、その便利さと魅力について伺ってみた。

「ゴミ捨ての回数が減り、室内に嫌な臭いも広がらなくなったので、本当に快適です。収集日を指折り待っていたころが懐かしい(笑)。何より購入してよかったのは、自分たちの出すゴミというものについて、家族全員がしっかり意識するようになったこと。子どもも、食べ物をあまり残さないようになりました。また見附市では、処理機から出る残りカスを『みつけイングリッシュガーデン』という施設に持ち込むと、花の苗に換えてくれるんです。家庭のゴミが花の苗に生まれ変わるなんて、ちょっと素敵ですよね」

見附市のこの取り組みは、今年は4月1日から始まったそう。家庭用生ゴミ処理機の普及率はまだまだ低いのが現状だが、こうしたさまざまなサポートを行う自治体が増えてきていることも確か。この機会に、購入を検討してみては?

株式会社トーカン
電話:03-6658-8411(代)
HP:http://www.tokan-co.com/

パナソニック『生ゴミリサイクラー MS-N 53/MS-N23』
HP:http://ctlg.panasonic.jp/product/lineup.do?pg=03&scd=00001211

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