オタク女子たちの「堕落部屋」を覗いてみない?

公開日:2014年1月24日

部屋を見れば、その人本来の姿が分かるという。今回は、普段見られない「オタク女子」たちの部屋をたっぷり詰め込んだ写真集をご紹介しよう。

堂々と座る姿は貫禄がある……。ポシェットの中身は次の機会に聞くとしよう。

帯の都築響一氏による推薦文も秀逸。読むだけでドキリとさせられる。

なかなか足を踏み入れることのできない女の子たちの部屋を総勢50名分ギュッと詰め込んだ写真集「堕落部屋」(グラフィック社)が今回紹介する本だ。本書で取り上げられているのはアイドルやコスプレイヤー、マンガ家といったマニアックな女の子たち。中には会社員や大学生といった一般的な職業の子もいるのだが、彼女たちの部屋を見れば一目でオタクぶりが分かる。

所狭しと並べられたぬいぐるみ、壁を覆い尽くすほどのポスター、触れれば崩れてしまいそうな同人誌の山……ページをめくるたびに十人十色の「好き」で埋めつくされた空間が広がる。

表紙を飾っているのは、アイドルの森ゆにこさんの部屋。パッと見て、まず物の多さに圧倒されるだろう。じっくり眺めてみると、服はハンガーラックに収まり切らず、愛らしいワンピースは壁際にも掛けられている。天井からはパーティーのような金色のリボンが垂れ下がる。お世辞にも「女の子っぽい部屋」とは言えないが、これこそが「堕落部屋」なのだ。

そもそも「堕落部屋」というネーミングは、某アイドルたちが共同生活を送っていた寮の呼び名から来ているそうだが、著者の川本史織氏は数々の部屋を見るうちに、彼女たちの楽しさに満ちた生活ぶりには「堕楽」部屋の方が合っていると感じたそうだ。

川本氏はアキバ系アイドルのポートレートでも有名な写真家なのだが、本書に載っている女の子たちの姿は、普段目にするかわいい女の子たちとは違った魅力に満ちているように思える。ニコリと笑顔を作ったり、ポーズを決めたりしている写真には決して表れることのない生活感がにじみ出ているからであろう。

本を閉じた後、なんとなく「見てはいけないものを見てしまった」という感情が湧きあがる。かわいい女の子たちの本性を、あなたもそっと覗いてみては?

(中道薫/ノオト)

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