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【テック磨けよ乙女!】辛すぎるPMS(月経前症候群)を認知行動療法で緩和。「心の逃げ道作って」<臨床心理士・山名裕子インタビュー>

男性は楽でいいなと思うことはないだろうか? 毎月1回訪れる月経で心身ともに辛い思いをしている女性は多い。「PMS(月経前症候群)」女性特有の悩みや対処法について、若くて美人、とびきりの笑顔の持ち主、臨床心理士の山名裕子先生に話を聞いた。

■人それぞれ考え方に「癖」がある。

──まずは改めて先生のご職業「臨床心理士」について教えてください。
山名:簡単に言うと心の専門家です。カウンセリングでは「認知行動療法」という療法を用いています。認知というのは、人の思考や考え方を言います。人にはそれぞれ考え方に「癖」や「歪み」があります。ネガティブに偏っている人には、ちょっと修正してあげることで日常生活をより楽に過ごせ、色々な出来事に臨機応変に対応できるようもっていきます。またモチベーションをあげるためにメンタルトレーニングを行ったり、ストレスの発散方法が分からない方にアドバイスをしたりしています。

オープンしたばかりの白を基調にしたケアオフィス 山名裕子

■大事なのは根拠のない不安だと気づくこと。

──人の思考・考え方の癖というのは小さい頃からもっているのでしょうか?
山名:育った環境や経験から「癖」がうまれます。不運が続いた方がネガティブ思考になりやすかったり、根拠がない不安に陥ったりすることがありますね。そういう方でも、(その不安に)「根拠がない」ということに気付くと、無駄な時間くよくよしていたんだなと分かり、臨機応変に対応できるようになっていくと思います。

「認知行動療法」で治ることはたくさんあります 山名裕子

■「自分はPMS」と心の逃げ道を作ってあげる。

──多くの女性が悩んでいるPMS(月経前症候群)について、まずはどういう症状かを教えてください。またPMSなりやすい性格などはあるのでしょうか?
山名:PMSの症状は色々ありますが、イライラしたり情緒不安定になったりしますよね。真面目な方やストレスを発散できない方がなりやすいと言われています。

──では、PMSにはどのように対処していけばいいのでしょうか?
山名:まず第一に自分自身でPMSという症状を理解することがとても大事です。理由もなくイライラしているのではなく、自分はPMSなんだと思うことで心の逃げ道を作ってあげる。二番目にパートナーや家族の人に伝えておくことも大事です。PMSだからイライラしているということを分かっていれば、周囲の対応も違ってきます。周りの協力も大事ですね。

■腹式呼吸で4秒吸って6秒吐くを1分続けて!

──特に症状が重い、うつに似た状態になるような人はどうすればいいでしょうか?
山名:休息をとること。周りに伝えておけば、横になっていてもPMSだからと思ってもらえます。ストレスを発散できない人がなりやすいので、趣味や楽しいと思えることをしてストレスを発散するようにしてください。また呼吸法もとても効果的です。丹田(おへその下あたり)に意識をもち、腹式呼吸で4秒息を吸って6秒吐いてを1分間続けると精神的に安定しリラックスします。食べ物も大事ですね。幸せ物質を出すと言われているセロトニンが少なくなるとうつ病にもなりやすくなります。トリプトファンは必須アミノ酸の一種でトリプトファンとビタミンB6がセロトニンを作ります。マグロやカツオの赤身、赤身の肉などに含まれています。それらを多く摂るようにするといいですね。体に効くと思って自分に言い聞かせながら食べること。生理の前には多く摂るようにすればいいですね。

■予防治療のためのカウンセリングを。

──こういった症状は先生のカウンセリングで緩和されたりするのでしょうか?
山名:はい。カウンセリングを行うことによって緩和されたり症状がよくなったりします。薬に頼らなくても認知行動療法で治せるものはたくさんあります。病気だから治療をするのではなく、病気にならない予防のためにもカウンセリングを受けることをお勧めします。

──先生ご自身は、ストレスはたまらないのですか?
山名:体をよく動かしています。以前アイドルリーグに所属していた時があったのですが、その時にフットサルをやってから今もチームを組んでやっています。5~6年は続けていて、大声を出したりして楽しんでいます。汗を出すとストレスも流れますね。

──とてもお美しい先生ですが、美の秘訣を教えてください。
山名:代謝が上がるので半身浴中に呼吸法を実践しています。楽しいと思えることをなるべくやるようにしています。

──では最後に読者に一言メッセージをいただけますか?
山名:元気な時から趣味を持ちましょう。自分が楽しいと思えること、好きなことを書き出して、できるものからやっていく。カラオケもお勧めです。大声を出すということ、泣くことでストレス発散になります。

──ありがとうございました。

7月3日にオープンしたばかりの「やまな mental care office」は、白を基調にした作りでとてもリラックスできる。山名先生と話すことで、気持ちがほぐれリラックスしていく自分に気付き仕事を忘れてしまいそうになる。今回特に心に残ったのは「病気だから治療をするのでなく、病気にならないために予防をしましょう」という先生の言葉だ。日本ではカウンセリング自体がまだまだ浸透されておらず偏見があったりするが、重い症状になる前にカウンセリングを受け、ときには「認知行動療法」により日々を楽しく過ごせるようになることは大事である。

ストレス社会の現代でいかにストレスを溜めず生活していくか。自分一人では難しい時、カウンセリングを受けることも方法の一つである。山名先生と話すことで、そして先生の笑顔で癒されることは間違いない。

オフィシャルブログ

「やまな mental care office」

(TechinsightJapan編集部 うめ智子)

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