住まいの雑学
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2014年8月1日 (金)

室外機が爆発する!? エアコンを自分で取り外すのは危険

写真: iStock / thinkstock
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夏の暑さが厳しくなってくると、エアコンの使用頻度も多くなるだろう。また、今夏のさらなる猛暑により買い替えを検討している方もいるのでは? そんなとき、取り付け・取り外しにかかる料金が気になり“自分でもできそう…”と思っている方はいないだろうか。しかし、手順を間違えると事故が起こる可能性がある。

コンプレッサーが破裂すると、室外機も粉々に……

2010年から2012年にかけて、毎年コンプレッサー破裂事故が発生している。
まず、エアコンの中では室内機と室外機の間を冷媒とよばれるガスが循環している。取り外しをする際には、この冷媒を取り除く必要がある。その作業中に、配管内のコンプレッサー(エアコンや冷蔵庫などの家電に搭載されている気体を圧縮する機械)に空気が混入すると、異常な高圧と温度上昇により破裂してしまうそうだ。その威力は、エアコンの室外機でさえも粉々になるほど……。

それにもかかわらず、東京都が2012年に行ったアンケート調査(※1)によると、自ら“取り外してみたい”との回答が3割以上にのぼる。専門的な技術が必要な作業ということが、認識されていない傾向にあるようだ。エアコンの供給は毎年700~800万台という数に上り、実際に消費者によって取り外しがされた場合、被害が相当数に上ることも予想される。

消費者も事業者も、危険であることをもっと認識するのが必要

また、東京都庁生活文化局 消費生活部 生活安全課の報道発表資料(※2)には、このような記述があった。

<消費者行動を変える必要>
•家庭用エアコンは、消費者自ら取り外すことは危険であることを周知し、あわせて安全な取外しが依頼できる電器店等の情報を提供することが必要
•二酸化炭素の2,000倍もの温暖化効果がある冷媒(代替フロン)放出防止についても改めて啓発すべき

<事業者への安全徹底の要望>
•製造事業者等に対し、機器本体への警告表示推進を要望すべき
•作業の安全徹底のため、エアコンの工事従事者に対し、重ねて注意喚起が必要

このような事故をふせぐには、消費者も事業者も意識をかえていくことが必要なのだ。

もし、10年以上使っているエアコンがあれば、この機会に室外機をチェックしてみよう。架台やつり下げがグラグラしていたり、腐食箇所があれば、室外機の落下で事故が起きる可能性もある。もし危険な箇所があった際には、必ず専門業者に依頼してほしい。

※1 東京都商品等安全対策協議会報告 家庭用エアコンの取外し等の安全確保について
https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/kyougikai/h24/documents/houkokusyo_all.pdf
※2 東京都生活文化局 家庭用エアコンの取外し等に関する安全確保
http://www.metro.tokyo.jp/INET/KONDAN/2012/10/40ma4100.htm

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