今、マンガごはんが話題を呼んでいる。マンガごはんとは、マンガで描かれたメニューのこと。マンガの舞台となったお店を巡ったり、自ら再現しブログで発表したり、イベントが大盛況とブームは絶頂に。
そこで、“食”マンガの系譜を紹介。
料理する姿をドラマチックに描く作品に始まり、現在はフツーの料理をおいしそうに、時には人間ドラマを絡めて展開する流れ…と、食マンガは時代を反映している。
【初の料理マンガが登場】
料理人の主人公の成長を描いた『包丁人味平』(1973~1977年・集英社)により、料理バトルが流行。
【ブームが続く“食べる”主人公】
1970年代の外食産業の発展を受け、グルメブームを起こしたのが『美味しんぼ』(1983年~・小学館)。“食べる”側のうんちくや、味を表現するセリフが斬新だった。バブル崩壊後は、高級ではない店での食事を描いた『孤独のグルメ』(1994~1996年、2008年~・扶桑社)が話題に。時にはメニュー選びに失敗しつつ、食べる幸せを感じられると人気に。
さらに、『めしばな刑事タチバナ』(2010年~・徳間書店)は実在のチェーン店などを話題に、うんちくを盛り込んだり、うまさの表現で魅せた。
【“男の料理”“自炊”が当たり前に】
1980年代に入り、素人男性が料理をすることが憧れに。『クッキングパパ』(1985年~・講談社)はレシピ紹介が実用書としても重宝される。『銀のスプーン』(2010年~・講談社)などの男の料理もの、簡単レシピ満載の『花のズボラ飯』(2009年~・秋田書店)に続く。
【女性シェフの活躍】
女性の社会進出はマンガ界にも。代表作は『おいしい関係』(1993~1999年・集英社)。恋愛と食べる人への心配りを描き、働く女性の共感獲得。
【料理が繋ぐ人との絆】
バブルを経て、人との絆が作品にも求められるように。『深夜食堂』(2006年~・小学館)を代表に、料理を軸に素朴な人間ドラマが描かれる。
※女性セブン2013年12月5日号