住まいの雑学
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2012年9月14日 (金)

シュールな笑いとアートを堪能できる、映画『ル・コルビュジエの家』

シュールな笑いとアートを堪能できる、映画『ル・コルビュジエの家』

9月15日からアルゼンチン映画『ル・コルビュジエの家』が新宿K’s Cinemaで公開スタート。10月6日からは東京・シネマート六本木でも公開される。

この映画は、世界的建築家のル・コルビュジエが建築した家が舞台。椅子のデザイナーとして大成功をおさめたレオナルド一家が住む“コルビュジエの家”に向けて、隣人のビクトルが窓を作ろうとしたことから起きたいざこざが描かれている。何とか話し合いで解決しようとするレオナルドだが、勝手な行動ばかりするビクトルとは話し合いにならず、騒音で気持ちは乱れ、仕事も上手くいかず、妻との関係も崩壊寸前に…。

そんなブラックでシュールな笑いや、隣人との関係という現実的なテーマとともに、この映画で注目したいのが、レオナルド一家が住む“クルチェット邸”や邸宅内にあるアルゼンチンの現代アートなど数々のインテリアだ。そこで、本作の配給会社であるAction Inc.の比嘉さんに、“クルチェット邸”やインテリアについてお話を伺った。

「この映画の舞台となっている“クルチェット邸”は、フランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエと並んで20世紀三大建築家の一人とされるル・コルビュジエが、ラテンアメリカで唯一設計した個人住宅なんです。1948年にラプラタ市の外科医クルチェット氏の依頼で、ル・コルビュジエが設計しました。普段は一般の人々が見学できる資料館となっていて、ラプラタ建築協会が管理しているのですが、撮影の際には大半をこの芸術作品とでもいうべき建物の中で行いました」

ちなみにル・コルビュジエは、日本の国立西洋美術館の設計も手掛けている。それにしても、そんな歴史的価値のある建物の中にセットを持ち込み、映画を撮影するなんて、お国柄のなせるわざというか、なんというか。
では次に、邸宅内にあるアルゼンチンの現代アートなどインテリアについて聞いてみよう。

「主人公のレオナルドが成功するきっかけとなった椅子(カチャノフスキー・チェア)は、 実在するアルゼンチンの新進デザイナー、バッティこと、ディエゴ・バティスタの作品で、日本でもプラセンテーロ・チェアとして販売されていたものなんです。他にも、クルチェット邸の中の家具や絵画として、アルゼンチンの若手アーティストの作品が数多く登場しています」

では公開にあたっての一番の見所は?

「展覧会でしか触れることのでない、ル・コルビュジエの設計した家が、誰もが知る“住む”という感覚を通し、身近に感じられます。また、アルゼンチン現代アートの才能が結集したセンスある空間で繰り広げられる人間ドラマに引き込まれ、監督や出演者の名前を知らなくても、“こんな面白いものを発見した!”と思える映画に仕上がっています」

ブラックでシュールな笑いに溢れたストーリーと、現代アートの要素をふんだんに楽しめる、映画『ル・コルビュジエの家』。住まいとインテリア好きならたまらない映画だ。

ル・コルビュジエの家
9月15日(土)より新宿K’s Cinemaにて限定3週間ロードショー
10月6日(土)よりシネマート六本木にてロードショー

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