次期サッカー日本代表監督として取り沙汰されているハビエル・アギレ氏(55)。これまでに母国・メキシコ代表を2度のW杯ベスト16に導くなど経験・実績は十分なのだが、思いの外、海外での評価は高くはない。というのも、いかんせん“やり過ぎる”のだ。
2009年には試合中にタッチライン際でプレーする相手選手を蹴り上げ、退場処分を受け3試合の出場停止。メキシコ代表監督を務めたW杯南アフリカ大会では、有力選手を外し“お気に入り”を重用するなど、不可解な戦術を連発。評論家らから「今W杯で最悪の監督」と酷評され、メキシコ国内では戦犯扱いされた。
ちなみに、この“お気に入り事件”の被害者が、今大会でも大活躍したドス・サントスやオチョアだったのだから、選手を見る目もいささか信用できない。
こんなアギレ氏の起用には日本サッカー協会内部からも反対の声が根強い。岡田武史氏や西野朗氏といった日本人監督の名前が挙がる一方で、アギレ氏はダミーで、現在コロンビア代表の監督であるホセ・ペケルマン氏が本命という説も、まことしやかに流れているという。
全く覇気の感じられなかった今回の日本代表には、アギレ氏の熱い“蹴りの一発”が必要な気もするのだが、スポーツジャーナリストの二宮清純氏はこう語る。
「そもそも監督が替わるだけで、日本のサッカーが劇的に変わるなんて魔法のようなことはない。まずは今回の結果と向き合って、日本の目指すサッカーとは何か、何を改め、何を継続するのか。そのための仕組みをどう作るのか。そこから始めるべきでしょう」
※週刊ポスト2014年7月18日号