冬に行われる祭りの代表格といえば、例えば北海道の「さっぽろ雪まつり」(今年は2月5日~11日)や秋田県の「なまはげ柴灯まつり」(2月7日~9日)。ほかにも、雪や樹氷などにスポットを当てた祭りや、正月や節分などの行事に合わせた祭りが全国各地で開催される。
今回は、そんな中でも「奇祭」と呼ばれるようなちょっと変わった祭りをいくつかご紹介したい。
■鬼恋節分祭 群馬県藤岡市 2月3日
節分の2月3日、全国各地から追い出された良い鬼を呼び込むという変わった趣旨の祭り。
■むこ投げすみ塗り 新潟県十日町市 1月15日
前の年に結婚したお婿さんを、5メートル以上の高さのある崖の上から豪快に投げ落とすという、越後松之山温泉に300年ほど前から伝わる小正月行事。雪がクッションとなり、けがをすることはないという。また、崖下でお嫁さんが、お婿さんをやさしく迎えてくれるので、夫婦の絆が深まると言われている。
■廣瀬神社 砂かけ祭 奈良県北葛城郡河合町 2月11日
五穀豊穣を祈願するお田植祭。斎田をつくり田植えの所作をする「田人」と参拝者が入り乱れて、砂かけ合戦をする。砂は雨を意味しており、砂が舞えば舞うほどその年は豊作と言われる。レインコートに水中眼鏡、という重装備の参拝客も。撮影する際も、カメラをビニール袋などで保護しないと壊れてしまうこともあるので注意。
■西大寺 会陽‐はだか祭り 岡山県岡山市 2月15日
起源は奈良時代といわれる由緒ある大祭。その名の通り裸の男たちが数万人集まって、ご利益のある「宝木」を争奪する。早朝から押し合いや参拝が始まり、夜10時になると、御福窓から宝木が投げ入れられる。争奪戦を制し宝木を手に入れた者は福男と呼ばれ、その年の幸福が約束される。ちなみに女性の参加も可能だ。
この中で、先日開催された群馬県藤岡市の「鬼恋節分祭」について、藤岡市鬼石商工会の方に詳しくお話を伺った。
どこでも悪者扱いされる鬼を歓迎するというアイデアはとてもユニークで微笑ましい。実際に地域活性化につながっている事例はあるのだろうか。
まだまだ歴史の浅い祭りだが、今後の展開が楽しみだ。
祭りには、その土地の地域性や風習が色濃く現れる。タイミングが合えば、こういった奇祭にもぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。