11月24日は、日本で初めてオペラが上演されたことにちなみ「オペラ記念日」と提唱されている。
オペラといえば新国立劇場などの大きなホールで上演されるので、少々格式が高いイメージがあるが、最近は市民が主体となって運営する「ご当地オペラ」が日本各地で話題を呼んでいるという。
例えば、香川県高松市を本拠地に活動する「市民オペラちぇちぃりぁ」は、落語とオペラを融合させた「落語ぺら」を上演中。難解といわれるオペラを日本語で演じ、しかもストーリーに笑いも取り入れるなど、オペラ初心者でも気軽に楽しめる内容となっている。
また、長崎県波佐見町を中心に活動する「オペラプラザ長崎」では、入場料を500円に設定するワンコインコンサートを開催。手ごろな値段設定もさることながら、演目に方言を取り入れるといった「ご当地オペラ」ならではの魅力も、高い人気を博している理由だ。
ところで、このように各地で開催されているご当地オペラだが、気になるのがその運営費用だ。毎回出演者の手弁当でまかなわれているのだろうか?
愛知県の「三河市民オペラ」の場合は、絶対に赤字を出さないという方針のもと、見事に黒字経営を成し遂げている。地元経済人とも連携して、ビジネスとして成り立たせているのだ。市民にオペラを気軽に味わってもらうのと同時に、収益もしっかりとあげている彼らの活動は、昨年に「愛知県芸術文化選奨・新人賞」を受賞するなど、高い評価を受けている。
オペラをより身近に味わえるご当地オペラ。これまで格式が高いと敬遠していた方も、「オペラの記念日」を機会に、近くのご当地オペラを探して、足を運んでみてはいかがだろうか。