住まいの雑学
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2012年9月21日 (金)

「姉妹都市」ってなんで“姉妹”なの? 「姉妹都市」あれこれ

「姉妹都市」ってなんで“姉妹”なの? 「姉妹都市」あれこれ
Photo: iStockphoto / thinkstock

主として外国の都市との間に特別な親善友好関係を結ぶ「姉妹都市」。簡単にいうと、都市同士が提携して“仲良くしましょう”という約束で、市民の文化交流や親善を目的とする都市間の結びつきのこと。ちなみに東京都は、ニューヨーク、北京、パリ、ソウルなど合計9都市と姉妹都市関係を結んでおり、じつに10人姉妹と大所帯だ。

ところでこの「姉妹都市」、なぜ“姉妹”という表現なのか。Wikipediaによると、「日本で一般的な「姉妹都市」という表現は、アメリカ英語の“sister city”に由来する。これには、日本の自治体国際提携が米国発の姉妹都市運動を受ける形で始まったことが影響している」と説明されている。また一方、国によっては、「姉妹都市」という呼び方ではどちらが姉でどちらが妹か、つまりどちらが上位にあるかという議論にもなりかねないことから、代わりに「友好都市」という表現が使用される場合もあるらしい。日本でも中国との間では「友好都市」が使われている。

日本と海外との最初の姉妹都市提携は1955年12月7日、長崎市とアメリカのミネソタ州セントポール市の間で締結された。これは提携の日付(セント・ポール市議会での議決の日)は日米開戦(真珠湾攻撃)の米国における日付であり、原爆投下地である長崎市との提携には、第二次世界大戦後の日米和平の象徴としての意味が込められている、と解釈されている。

姉妹都市提携をしている都市同士には、自然環境が類似している、同じ産業がある、同じ歴史を共有しているなど、提携のきっかけとなる事象や共通点がある。以下にいくつかご紹介しよう。

■空港都市
千葉県成田市と韓国の仁川広域市中区

■観光都市、文化遺産が多数点在
京都府京都市とフランスのパリ市

■自動車産業
愛知県豊田市とアメリカのミシガン州デトロイト市

■共に大戦で甚大な惨禍を経験
広島県広島市と中国の四川省重慶市、ドイツのハノーファー、ロシアのボルゴグラード

■漢字の綴りが同じ
山形県南陽市と中国の河南省南陽市
島根県大田市と韓国の大田広域市

■1613年の伊達藩慶長遣欧使節団支倉常長一行の出発港と上陸港
宮城県石巻市とイタリアのチヴィタヴェッキア市

などなど、さまざまな共通項によって姉妹都市関係を結んでいることが分かる。

具体的な交流としては、豊田市とデトロイト市の例を挙げると、交換学生の派遣及び受け入れ事業、1983年にデトロイト市からミナミカナダヅル1つがいが親善動物として鞍ケ池公園にプレゼント、豊田市からは1982年にサクラの苗木1000本、1984年にニホンザル10匹を贈呈など、盛んに行われているようだ。

自治体国際化協会の集計によれば、2011年末現在の国際姉妹(友好)都市提携は1618件に上るそうだ。自分の街がどんな都市と仲良しか、意外と知らないもの。みなさんも一度、自分の住んでいる街の姉妹都市を調べてはいかがだろうか。

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