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ザ・ヴァンプス 初来日インタビュー

ザ・ヴァンプス 初来日インタビュー

 ブラッドリー・ウィル・シンプソン(ヴォーカル)、ジェイムズ・マクヴェイ(ギター)、トリスタン・エヴァンズ(ドラムス)、そしてコナー・ボール(ベース)によるUK出身の4人組ポップ・ロック・バンド、ザ・ヴァンプス。YouTubeやFacebookなどのSNSを通じて出会った現在18~20歳の彼らは、2012年頃からワン・ダイレクション、テイラー・スウィフト、ブルーノ・マーズなどのヒット曲のカヴァーをYouTubeに投稿したことで注目を浴び、メジャー・レーベルと契約。UKでのデビュー・シングルとなった「キャン・ウィー・ダンス」は全英2位、続く「ワイルド・ハート」が3位、そして「ラスト・ナイト」が2位と立て続けにヒットを放ち、2014年4月リリースのデビュー・アルバム『ミート・ザ・ヴァンプス』が、全英初登場2位に。そんな現在大注目の4人組が、遂に日本に!デビュー・アルバムの日本リリースに伴い、初来日を果たしたザ・ヴァンプスの4人をキャッチ!日本の印象をはじめ、デビュー・アルバムや9月からスタートするUKツアーなどについて話を訊いた。

★来日時の空港の模様はこちらから!

自分たちが住んでる場所から地球の裏側に来て、
こんなにもたくさんのファンがいてすごく驚いた

「Can We Dance」 MV
▲ 「Can We Dance」 MV

??まず初めての日本はいかがですか?

コナー・ボール:何もかもがクールだね。

ブラッドリー・ウィル・シンプソン:すっごく楽しい!

トリスタン・エヴァンズ:ちょっと暑いけどね(笑)。

ブラッド:今日で3日目だけど、明治神宮にも行ったし、タワーレコードでもいいパフォーマンスができた。

??来日して一番クレイジーだったことは?

ブラッド:ファンのみんなに会えたことかな。自分たちが住んでる場所から地球の裏側に来て、こんなにもたくさんのファンがいてすごく驚いたね。

ジェイムズ・マクヴェイ:不思議な感じだよね。

コナー:空港に着いたら大勢のファンに迎えてもらって、とてもいい気分だったね!

??普段はそうでもないの?

ジェイムズ:う~ん。そうだね。

ブラッド:場所にもよるけど、日本でこんなにも歓迎されるなんて僕ら自身想像してもいなかったから。

??では、音楽にまつわる一番最初の思い出は?初めて自分で買ったアルバムでもOKですよ。

トリスタン:アヴリル・ラヴィーン!

コナー:僕が憶えてるのは、4歳の頃にミュージカルに行ったこと。バーニーの。

トリスタン:あの紫の怪獣だよね?

コナー:最高だよね(笑)。でも僕が観たのは、なぜか黄色かったけど…。僕の一番好なキャラクターなんだ。

ブラッド:僕は、12歳頃によく観たAC/DCの『ライヴ・アット・ドニントン』のDVD。あれを観てバンドがやりたいと思ったんだ。

「Five Colours In Her Hair」
▲ 「Five Colours In Her Hair」 (McFly cover)

??4人とも様々なジャンルの音楽が好きなようですが、全員が好きなアーティスト、バンドはいますか?

ジェイムズ:エド・シーラン?

コナー:僕もエド・シーランは好きだよ。

ブラッド:う~ん。

ジェイムズ:じゃあ、却下(笑)。

コナー:マクフライはどう?

ブラッド:あぁ、マクフライはいいね。一番最初にツアーをしたバンドでもあるからね。それに全員マクフライの1stアルバムは持ってたから。

コナー:うん。彼らには、多くの影響を受けているし、バンドをやりたいっていう気持ちにさせてくれたからね。

ジェイムズ:すごくナイスガイだし。

??プロとして音楽の道に進もうと思ったのは?

トリスタン:女の子にモテたかった!

一同:(大笑)

トリスタン:っていうのは冗談で…。

ジェイムズ:4人とも個々で楽器を習っていて、いろんなバンドがTVとかでパフォーマンスをするのを見て、「あんな風に大勢の人の前でパフォーマンスできたら。」と思ってたんだ。

??ミュージシャンになりたいと言った時のご両親の反応は?

ジェイムズ:もちろん応援してくれたよ。

ブラッド:そうだね。別に「学校を中退して、ミュージシャンになる!」って感じではなかったけれど、このバンドに関して話すと、だんだん知名度が上がってきたから、音楽に専念せざるを得なかったんだ。だから、結果的には僕とコナーは、シックスフォーム(第6学年)を止めることになったけど…。

コナー:「もう一生勉強しなくていいんだ!」って感じではなかったね(笑)。

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「Last Night」 MV
▲ 「Last Night」 MV

??ブラッドとジェイムズは、いつ頃から一緒に曲作りを行っているのですか?

ジェイムズ:2011年頃だね。

??最初に曲を一緒に書き始めてから、アルバム制作を経て、ソングライティングはどのように進化してきましか?

ジェイムズ:人間として成長し、様々な人に出会うことで、だんだん良くなっていってると思うね。

ブラッド:3年間では色々なことが起きるからね。2011年に2人が出会って曲作りを始め、そこにトリスやコナーが加わって、彼らの個性が曲に反映されることでさらに成長したと思う。

??メンバー以外にも、外部のプロデューサーやソングライターと曲作りを行うことで勉強になりますしね。

ブラッド:うん。かなり勉強になるよね。僕らよりキャリアが長い人ばかりだから、もちろん経験があるし、様々なテクニックも熟知していて、自身のスタイルも確立している。そう言ったことを吸収し、僕らなりの表現の方法を見つける努力をしている。

??曲はほぼ実体験から書いているんですよね。

一同:そうだよ。

??中でも、どんなことを題材にするといい曲が生まれると思いますか?

ブラッド:特にこだわりはないんだ。自分が強く信じていることや良いストーリーであれば。僕らにとってやっぱり女の子やパーティーはいい題材になるよね。人生が変わるような大きな出来事でなくても、その瞬間を巧く捉えられればと思っているよ。

??因みに「Girls On TV」のモデルとなっている人物はいるのですか?

ブラッド:特定の子はいないんだ。これまで出会った子で、ああいう気持ちにさせてくれた子はたくさんいたから。その子たちをすべて組み合わせて出来上がったのがあの曲なんだ。

写真
The Vamps 2014.5.31 @ Tower Records Shibuya

「Five Colours In Her Hair」
▲ 「Oh Cecilia (Breaking My Heart)」 (acoustic)

??サイモン&ガーファンクルの「Cecelia」を、「Oh Cecilia (Breaking My Heart)」で取り上げることになったのは?

ジェイムズ:元々オリジナルをよく聞いてたんだ。だからクールなアイディアだと思って。

ブラッド:スタジオに入った時に、プロデューサーが提案してくれて、いい感じに仕上がったからとても満足しているよ。

トリスタン:そう、コナーは大ファンだったんだよね?

コナー:特に曲の中盤がすごく好きなんだ。

トリスタン:そういう昔の曲はお父さんの影響で聴きはじめたんだよね?

コナー:そうそう。家族旅行に行く時とかに、よく車の中で聴いたりした。あの頃…70年代の音楽が多かったね。あの曲は、もしかしたら完成しなかったかもしれないんだ。レコーディングが残り1日しかなくて、やるか、やらないかすごく迷ってたんだ。

トリスタン:コナーは曲に強い思い入れがあったから、ちょっと保守的になってたんだ。

ジェイムズ:幼い頃から曲と強い繋がりがあったし、名曲を台無しにしたくなかったんだよね。

??かなり大胆ですもんね。

ブラッド:うんうん。

トリスタン:台無しにしちゃったかな(笑)?

ブラッド:あの曲は、大好きって言ってくれる人と大嫌いって言う人とすごく評価が分かれる曲だよね。でも気に入ってもらえればと思ってるよ。

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「Somebody To You ft. Demi Lovato」
▲ 「Somebody To You ft. Demi Lovato」 MV

??デビュー・アルバムを作るにあたって一番難しかったのは?

ブラッド:「Girls On TV」かな。

トリスタン:17個ぐらい違うバージョンを作ったんだ。

コナー:そう、17もだよ。信じられる?

ブラッド:いや、全部で30ぐらいあったと思うよ。

ジェイムズ:レゲエっぽいのもあったし、フォーク調のもあったんだよね。

ブラッド:そのちょうど中間をとったのもあったよね。とにかく色々なバージョンを試したんだけど、全然しっくりこなくて。あの曲にはかなり時間を費やしたけれど、最終的にアルバムに収録されているものが、一番曲をうまく表現できていると思って、あのバージョンに落ち着いたんだ。

??『ミート・ザ・ヴァンプス』は、ぴったりなアルバム・タイトルだと感じますか?

ブラッド:うん、そうだね。“ネオン・ハンドシェイク”とか、意味がよく分からないアルバム・タイトルをつけるバンドも多いけど、デビュー・アルバムだし、そういうのは合わないかなって思って。「これがザ・ヴァンプスなんだ、初めまして」っていう意味合いも含まれてる。

??では、一人づつお気に入りの曲を教えてもらってもいいですか?

トリスタン:最近は「Dangerous」かな。詞がすごく好きなんだ。

コナー:僕は「Shout About It」だね。でも「On The Floor」もいいよね。あの曲レコーディングは楽しかったね。ニューヨークでやったんだけど。

ジェイムズ:一番好きなのは、「Somebody To You」かな。

ブラッド:僕は、「Risk It All」だね。

写真
The Vamps 2014.5.31 @ Tower Records Shibuya

「Wild Heart」 MV
▲ 「Wild Heart」 MV

??ザ・ヴァンプスが、バンドとしてユニークだと思うところを教えてください。

ジェイムズ:僕らの音楽は、現代の他の“ポップ・ミュージック”とは違うと思ってる。自分たちで曲を書いてるし、楽器もちゃんと演奏してるから。今イギリスで僕らと同じようなことをしているバンドはあまりいないしね。

??やはり自分たちで曲を書き、それをきちんと生で演奏することにこだわりがあるんですね。

コナー:もちろん!

ブラッド:ライブで演奏するという部分は特に重視しているね。生で演奏するとギター、ベース、ドラムの要素が活かされロック色が増すし、僕らが心から楽しめるのはそういう環境で演奏できることだからね。

??そういったこだわりがあるのに、“ボーイ・バンド”と片づけられてしまうのは、内心ちょっとイラッとする?

ブラッド:あまり気にしてないけど、間違った見解だよね。

トリスタン:悪質なジョーク(笑)。

ブラッド:だって“ボーイ・バンド”は、ヴォーカル・グループをさす言葉で、僕らはちゃんと楽器を演奏するから。

??では、初めて一緒に演奏したライブについて教えてください。

トリスタン:汗だく(笑)。

ジェイムズ:熱気に溢れてたしね。3,000~4,000人ぐらい入る会場だったかな。

ブラッド:そう、マクフライの前座を務めたんだ。あれがバンドして初めて演奏したライブだなんて信じられない。

コナー:すごく楽しかった。

ブラッド:1年半前ぐらいのことだよね。去年の4月ぐらいだったから。

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「Last Night」 (Live @ Radio 1's Big Weekend 2014)
▲ 「Last Night」 (Live @ Radio 1's Big Weekend 2014)

??それから2年足らずで、5月中旬に開催されたBBC Radio1主催の【Big Weekend】では、何万人もの観客の前でパフォーマンスしてますよね。

一同:あれはすごかったよね!

ジェイムズ:僕はジャケットを着て演奏してたから、とにかく暑かったのを憶えてるよ。

ブラッド:僕も普段演奏する時はジャケットなんて着ないのに…。コナーはキルトを着てたから、そんなに暑くなかっただろうけど。僕らが演奏する前は、大雨が降ってて寒かったから、Tシャツ3枚ぐらい重ね着しなきゃ、とか言ってたんだ。

コナー:ジェイムズなんか、ジャンパー2枚重ね着してたんだよね。

ジェイムズ:マジで溶けそうだったよ!動くのもままにならないし、歌もうまく歌えなくて(笑)。でも色々な観客がいて、いい雰囲気だったね。

ブラッド:シングアロングしていた観客もいて驚いたよね。普段は自分たちのファンやティーンの女の子を相手に演奏しているから、いつもとは違う観客の前で演奏することができたし、彼らがシングアロングしてたのは嬉しかったよね。

??逆に先日のタワー・レコードでのインストアのような観客が近い、小さな会場だと?

ジェイムズ:観客が近いから、よりパーソナルになるよね。

ブラッド:緊張したり、怖気づいたりとか、そういうのは最近は無いけど…まぁ、たとえばウェンブリー・スタジアムとかだったら話は別だけど。観客の数はあまり関係なくて、いいパフォーマンスをしないといけない、っていうプレッシャーがかかってる時は、ちょっと怖いね。

ジェイムズ:たとえば、この前の【Big Weekend】は、イギリスでラジオとTVで生中継されてて、そんな環境で演奏したのは、初めてだったからね。

??ライブで一番好きな瞬間は?

コナー:ジャンプしたりすること。あとは、コーラスに入る部分とか。

ブラッド:みんなが曲に合わせて手拍子してくれる時。特に今はすべてのコードを完璧に弾きこなして、歌うことに専念してるから、それができると嬉しいね。

写真
The Vamps 2014.5.31 “ゲストのけみおさんと” @ Tower Records Shibuya

??9月からはUKツアーも始まりますね。すでにソールドアウトになってるみたいで、楽しみですね。

ジェイムズ:うん、まだ若干チケットが残ってる2、3会場以外は、ソールドアウトになってるみたいだね。でも忙しくて、まだ全然手つかずなんだ。リハもツアーがスタートする2週間前まで始まらないし。8月にはオースティン・マホーンとアメリカ・ツアーを行う予定で、それが終わるのが僕らのツアーが始まる2週間前ぐらいだから。

ブラッド:ちょうどステージ・セットの写真を見せてもらったところで、すごく楽しみにしてるよ。

??自分たちのファンのどんなところが好きですか?

コナー:全部~(笑)!

ブラッド:みんなのサポートにはすごく感謝してるんだ。僕らの音楽を楽しんでくれて、ライブに来てくれたり、ファン・アカウントを作ってくれたり。

??女の子のファンはたくさんいると思いますが、中には男の子もいる?

トリスタン:意外だけど、僕らが思っているより存在するんだよね。

ジェイムズ:ショーにもよると思うけど。【Big Weekend】では男子ファンもいたからね。

トリスタン:あれはすごく変な感じだったね。

ジェイムズ:これまであまりそういう機会がなかったけど、僕らのことを知らなくて、ラジオとかで聴いて好きになってくれたりする男子も多いみたいだから、それはクールだね。

??では最後にバンドとしての野望やゴールを教えてください。

ジェイムズ:アルバムを作り続けて、世界中をツアーすること。

ブラッド:ライブ・バンドとしてよりいい演奏ができるようになることと、これからもっと多くのファンに会いたい。

ジェイムズ:後は、アメリカで売れればいいな、と思ってるよ(笑)。

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