20110224_01
毎日匂いを意識して仕事しているためだろうか、「このトイレの芳香剤、デパケンの匂いがする」などと発言するのは、大抵薬剤師である。
 
仕事中の薬剤師は、常に匂いを意識している。薬剤師の仕事と匂いは、切っても切れない関係にある。子供用シロップを判別するのに最も役立つのが、匂いだからだ。

大抵の薬局では、一枚の処方箋につき、調剤者、監査者、と、ダブルチェックをしている。このとき、シロップに特別な色がついていなければ、判別するために、監査者は匂いを嗅ぐしかない。
 3〜4種混合した黄色いシロップの中に、ペリアクチン(アレルギーの薬。おもに鼻づまりなどの症状を抑えるために処方される。透明だが、独特の匂いがついているので判別しやすい)が入っているのかいないのか、なんていうときにも、薬剤師は匂いで判別する。
シロップだけでなく、一部の軟膏にも匂いがついているし、散剤(粉薬)でも匂いを嗅ぐときがある。

そして、これからの季節、日本ではこの判別が難しくなる。
花粉症の季節なのだ。鼻が詰まると匂いが分かりづらくなる。詰まるだけならまだしも、頭もぼんやりするので判断力も鈍る。間違えないように、いつもより集中して匂いを追う。あげく消耗してしまい、より疲労が増す悪循環に陥る。

さて、最初のトイレの芳香剤の話。「デパケン」とはてんかんを抑えるために使われる薬のひとつ。添付文書上では、「パイナップル臭」とあるが、赤い色にだまされてイチゴっぽいイメージもある。
某、シャバシャバする芳香剤の「ベリーミックス」を嗅いだとき、「これ、デパケンの匂いがする」と思わず言ってしまった。
 
(Written by 富野浩充)


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