米軍属、殺人容疑であす再逮捕 県警、強姦致死立件も視野


この記事を書いた人 志良堂 仁

 米軍属女性遺棄事件で県警が7日までに、死体遺棄容疑で逮捕された元米海兵隊員で米軍属の容疑者(32)=与那原町=を勾留期限の9日に殺人の容疑で再逮捕する方針を固めたことが捜査関係者への取材で分かった。早ければ8日にも那覇地裁へ逮捕令状を請求する。強姦(ごうかん)致死での立件も視野に捜査を進めている。

 捜査関係者によると、容疑者は4月28日夜、ウオーキング中だった女性をうるま市の県道沿いの草むらに連れ込んで暴行し、刃物で刺すなどして殺害した疑い。遺体の胴体部分の骨には刃物で刺された際に負ったとみられる複数の傷が確認されているという。

 同容疑者のスマートフォンには、女性のスマホに表示させた会員制交流サイトの画面を撮影した画像が残っていた。県警はこの画像の撮影時の位置情報の解析に成功。周辺防犯カメラの映像も解析し、襲撃は4月28日午後10時前後の可能性が高いとみている。うるま市の草むらでは女性のイヤホンが発見された。

 県警は容疑者の供述通りに遺体が発見され、犯行当時の防犯カメラ映像などで確認されている立ち寄り先などの行動から殺人での立件が可能と判断。容疑者は逮捕当初の取り調べで「乱暴目的だった」などと供述しており、女性が多額の現金などを持ち合わせていなかったことや容疑者との接点がないことなどから殺人容疑に加え、強姦致死容疑での立件も目指す。

 容疑者は5月20日の取り調べから事件に関する供述を拒否している。犯行につながる物的証拠なども乏しく捜査は難航していたが、大規模捜索などを通して状況証拠を積み重ね再逮捕への道筋を付けた形だ。米軍関係者の凶悪犯罪に県民の反発が強まる中、県警は事件の全容解明と立件に向けた詰めの捜査を進めている。