熊本から帰省の名幸さん SNSで呼び掛け、100箱の物資送る


社会
この記事を書いた人 新里 哲
被災地に物資の輸送を始めた名幸恵梨佳さん。室内にはマスクやおむつなど提供を受けた物資が並ぶ=21日、沖縄市諸見里のMI進学塾

【沖縄】熊本の専門学校に通う名幸恵梨佳さん(21)=沖縄市=は地震で帰省後、支援物資を送る活動を始めた。会員制交流サイト(SNS)で呼び掛けて集まった段ボール約100箱分の日用品を同級生らと協力し、物資の足りていない避難所に送っている。

 名幸さんは、助産師の資格取得のため熊本看護専門学校に進学し、5日に入学式を終えたばかりだった。14日の地震で被災し、翌日沖縄に帰省した。「家族の顔を見てホッとしたら涙が出た」と振り返る。安心したのもつかの間、16日未明に本震が発生した。名幸さんは「自分だけ帰って来てしまった」と後悔し、眠れなかったという。
 翌朝「みんなのために何かしたい」と支援物資の郵送を決意した。熊本県の助産院に電話し、粉ミルクやおむつなど必要なものを聞き取ると午後7時ごろには、SNSで物資の提供を県内の友人に呼び掛けた。
 名幸さんの呼び掛けを友人らは次々とシェア。支援の輪は県内各地に広がり、500人以上が物資の提供に協力した。
 物資は、友人らと夜を徹して箱に詰めた。避難所に自ら電話をして、物資が不足している場所を見極め、21日までに4カ所に60箱分を郵送した。
 名幸さんは「物資を送り終えたら、熊本に戻って看護のボランティアをしたい」と話した。