見て触って聞いて アート堪能 佐喜眞美術館


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山城見信さんの作品を説明する手話通訳者と参加者ら=16日、宜野湾市上原の佐喜眞美術館

 【宜野湾】障がいのある人もない人も一緒に芸術を楽しもうと16日、宜野湾市上原の佐喜眞美術館で美術鑑賞ワークショップが開かれた。5月9日まで同美術館で開かれている山城見信展を鑑賞しようと来県した、都内の大学で美術講師をする真下弥生さんの呼び掛けで集まった計19人が、山城さんの作品を見て、触って、聞いて五感全体を使って作品を鑑賞した。

 真下さんは、都内を中心に視覚、聴覚に障がいがある人も芸術鑑賞ができるよう、さまざまなワークショップを開催している。特別支援学校の美術教諭をしており、視覚障がい児の美術教育にも携わった山城見信さんの作品を多くの人に知ってもらおうと、今回の企画を提案した。
 ワークショップは午前と午後の部に分かれ、開催された。午前の部は、聴覚に障がいがある人を含めた11人が参加。加えて手話通訳者2人も参加し、作品ができた背景や作品の意味、解説なども説明された。参加者たちは、作品に対する疑問を積極的に質問していた。
 今回のワークショップに参加した、先天性の聴覚障がいを持つ川上恵さんは「通常の個展などは説明書きがあったり、なかったりでなかなか行きづらい。しかし今回は手話通訳者の人もいて聞きたいこと、知りたいことがすぐに質問できて、すごくよかった」と興奮した様子で答えた。