「秋葉原キュアメイドカフェ」で味わう贅沢な時間

f:id:Meshi2_IB:20160121101652j:plain

もう10年以上も前になります。雑誌の記事に触発されて、当時秋葉原にできたばかりのメイド喫茶に行ったことがございます。

あの日、きゃわいいメイドさんに給仕されたエビピラフ。

ええ。あの味はもう間違いなく主要メーカーの冷凍食品でございました。

 

こういう味が好きな人もいらっしゃるかもしれません。私も常々好ましく思っております。しかし、件の雑誌に堂々と紹介されていた「注目のニュースタイルカフェ」であるところの「メイド喫茶」に私が期待していたことは「贅沢な気持ち」でございました。

 

お屋敷に住み込みの料理人が作るようなおいしい料理。礼儀正しいメイドたち。ヴィクトリア朝の内装。なんかショパン的なそういうクラシック的な音楽。

そのようなイメージでございました。

私はただそのような気分を味わいたかったのでございました。

返せ、私のピュアな期待を返せ。

私の涙は万世橋の欄干を越えて神田川に落ちていったのでございます。

 

日本初の老舗メイド喫茶

f:id:Meshi2_IB:20160121101653j:plain

秋葉原で元祖となる老舗メイド喫茶があります。キュアメイドカフェ。ここがおいしいのです。「メイドが働いている喫茶店」のイメージにぴったりなのであります。

個人的なお気に入りのお店をたくさんの人に教えてしまうのはもったいないことですが、さしずめ登山者が後から来る者のために険しい山道へ目印を残していくような気持ちでここに記すものとします。

 

おいしく食べるオムライス

たとえば、いわゆるメイド喫茶で我々が想像するオムライスって、メイドちゃんがケチャップで萌えなメッセージを書いてくれるカワイイジャパンなものではないでしょうか。

たとえばこういう。

f:id:Meshi2_IB:20160121101654j:plain

そうそう、こういうの。

しかしキュアメイドカフェのオムライスはちゃんと「洋食」なんです。

 

f:id:Meshi2_IB:20160121101655j:plain

デミグラスソースとトマトソースのふたつから選べるオムライス(750円)。

こっちはトマトソースのイタリアンです。

なんでもホテルレシピを、キュアメイドカフェに合わせアレンジしたものとのこと。

 

f:id:Meshi2_IB:20160121101656j:plain

ふわとろ卵に包まれたライス、ちゃんとトマトから作られたソースがしっとりと染み入っております。正直な話、ホテルのレストランで出されるような本格的な味です。

この本格的な食事を、ブリティッシュスタイルのメイドが給仕してくれるのです。

贅沢な気分。これが欲しかった。

 

ここだけで食べられるカレー

f:id:Meshi2_IB:20160121101657j:plain

キュアメイドカフェもうひとつの特色は、石川県名物である「カレーのチャンピオン」のカレーが食べられることです。

昭和36年に完成されてそのままの味を保つ、地元で愛されているカレーです。

石川県以外でこのカレーを出すお店は非常に少ないのです。

 

f:id:Meshi2_IB:20160121101658j:plain

▲チャンピオンカツカレー(880円)

 

濃い目の味付けのコク深いカレーにカリッと揚がったカツが乗ったものです。スパイシーなルーとカツ、そしてご飯との間に敷き詰められたキャベツがなんとも食欲をそそる組み合わせ。しかし、ガツガツとかきこむのではなく、ゆっくりと味わいながら食べられるのはキュアメイドカフェというお店の雰囲気がなせる業かもしれません。

 

日本紅茶協会「おいしい紅茶の店」認定店

f:id:Meshi2_IB:20160121101659j:plain

「萌え萌え接客業」ではなく「メイドがいる喫茶店」、それがキュアメイドカフェです。そうなれば英国式のお茶の時間を楽しむしかありません。

実はキュアメイドカフェは日本紅茶協会から「おいしい紅茶の店」の認定を受けているほど、本格的な紅茶のお店なのです。

茶葉も、時期によって農園を変えているというこだわり。秋葉原のメイドカフェというイメージであなどってはいけない本格的な紅茶のお店なのです。

ダージリンとプレーンスコーンをオーダー、おしとやかなメイドが持ってきてくれました。そうそう、これこれ。私がメイド喫茶に期待していたものはこの雰囲気です。

 

f:id:Meshi2_IB:20160121101700j:plain

あらかじめ十分に温められたポットから紅茶が注がれます。気持ちが落ち着くダージリンの香りが立ち上ります。高い位置から注がれるのはこのいい香りを広げるためです。

ここのメイドには、もともと紅茶好きだったり、紅茶のおいしい入れ方を自分で勉強したりする人もいるのだそうです。

お店の品揃えとメイドの努力が相まって「おいしい紅茶の店」に認定されたのかもしれません。

ちなみにこの認定はお店には内緒で行われるらしく、日本紅茶協会から認定証が突然送られてくるそうです。つまりガチで紅茶がうまい店の証。

 

f:id:Meshi2_IB:20160121101701j:plain

スコーンは手作りのパン屋から仕入れているホンモノ。

ざっくりしたテクスチャとやさしい風味。紅茶に合うおとなしめで確かな味です。ジャムとホイップをたっぷりつけて頂きます。プレーンスコーンはこれが楽しい。

 

メイドカフェという発明

f:id:Meshi2_IB:20160121101702j:plain

キュアメイドカフェがちゃんとおいしいのには理由があります。

2000年前後の秋葉原には「ゆっくりお茶するお店」が少なかったのです。当時はパソコンメインの電気街だったのですばやくガッツリ食えるオッサン向けのザ・メシ屋がほとんどでした。牛丼ラーメン生姜焼きの世界です。

そんな当時の秋葉原で、お客様がゆっくりとできる・癒される空間を提供したいという考えから、“癒し”のアイコンとしてメイドスタイルを取り入れた「キュアメイドカフェ」が生まれたそうです。

 

f:id:Meshi2_IB:20160121101703j:plain

つまり、後発のメイドカフェはあくまで接客業として最適化されたものであり、ゆっくりお茶するのがメインのキュアメイドカフェとは、もうお店の目的が違うのです。ここは近隣住民のお客さんも多いらしく、喫茶店として愛されているとのことです。

 

贅沢で豊かな時間

f:id:Meshi2_IB:20160121101704j:plain

メイドカフェでは贅沢でゆっくりした気持ちを味わいたい。それが私の願いでした。

キュアメイドカフェには象徴的なアイテムがあります。店名が刻印されたカトラリーやロゴ入りのティーポットです。

いいですか。このお店はチェーン店ではなく、ここ一店舗のみで営業しています。ということは、お店ひとつのためにティーセットを別注してるってことです。この贅沢さはすごいことです。週末には室内楽のイベントもあったりして、優雅で豊かであることに対して確固たるコンセプトを感じます。

 

f:id:Meshi2_IB:20160121101705j:plain

©プロジェクトラブライブ! ©2013プロジェクトラブライブ!

 

秋葉原で生まれたメイドカフェはすでに世界で大きく広がっています。

かわいいメイドさんとキャッキャするメイドカフェも楽しいですが、ゆっくりと落ち着いて贅沢なお茶の時間を過ごすことができる、ちゃんとおいしいメイドカフェの元祖が秋葉原にあり続けてくれることで芯がブレない気がします。

ガチャポン会館が目印のジーストア・アキバ6Fにキュアメイドカフェはあります。時期によってアニメやゲームとのコラボレーションも行なっていて、いつもとは違う雰囲気を味わうこともできます。

買い物で歩き疲れたら行ってみましょう。紅茶おいしいっすよ。

 

お店情報

キュアメイドカフェ

住所:東京都千代田区外神田3-15-5 ジーストア・アキバ6F
電話番号:03-3258-3161
定休日:不定休
営業時間:
月曜~木曜11:00~20:00 (ラストオーダー FOOD19:00 DRINK19:30)
金曜・土曜11:00~22:00 (ラストオーダー FOOD21:00 DRINK21:30)
日曜・祝日11:00~19:00 (ラストオーダー FOOD18:00 DRINK18:30)
ウェブサイト:http://www.curemaid.jp/

www.hotpepper.jp

 

書いた人:鷲谷憲樹

鷲谷憲樹

43歳フリー編集者。ライフハック系の書籍編集、専門学校講師、映像作品のレビュアー、社団法人系の広報誌デザイン、カードゲーム「中二病ポーカー」エバンジェリストなど落ち着かない経歴を持つ器用貧乏。好きなショップは秋葉原スーパーポテト。好きなゲーセンは秋葉原hey。好きなパーツはトグルスイッチ。

過去記事も読む

トップに戻る