「ロミオメール」ってご存知ですか? 過去に付き合っていた元カレや一方的に好意を抱いてきている男性が送ってくる、女性にとっては「重くて迷惑なメール」のこと。ロミオメール以外にも「元カレがロミオ化した」なんて使い方も最近されています。

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自己陶酔型

もちろん語源はシェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』のロミオから。10代半ばでジュリエットと恋に落ちるも、家同士が対立していたために命を絶たなければならなかったほど刹那的な人生を送ったロミオ。
しかしロミオ化、ロミオメールがヒントにしているのは、劇中で語られる彼の「甘く表現豊かな愛の台詞」に、現代の女性にはちょっと女々しく、場合によってはストーカーにも思える「ロミオの性格・行動」から。
たぶんシェイクスピア、草葉の陰で爆笑してると思います……。

ロミオが愛の言葉を贈った相手は相思相愛だったジュリエットに対してなので許されていましたが、これがもし気持ちがサラサラない相手に送ったとなると迷惑千万。精神的にハードでディープでそして、中二病全開なデコラティブな言葉で綴られていることも多く、もらったほうは本当にうんざりします。それに勝手にロミオ気分で家まで来られたら……。今なら間違いなく犯罪です。

しかもそんなメールを送ってくる相手だから、どう対処したらいいのか考えあぐねて困っている女性も多いようで、とことんロミオ化した男性が社会的に迷惑なことが窺えます。

今回はそんなロミオメールの対処法について考えていきたいと思います。

■まずはロミオメールの種類からご紹介

・タイプ1 ポエマー系(自己陶酔型)

「きみの薔薇のような頬が上気するたび、僕の中で愛のメモリーが増大されるんだ。ナイチンゲールが鳴いても帰りたくはないよ。ずっと僕の腕の中で可愛い寝息を聞かせておくれ……」

自己陶酔型とも言えますが、相手と自分との気持ちの温度が一致していないことがわからないタイプです。相手もこんなポエミーなメールをもらって嬉しいと大きな勘違いをしているみたいです。アーティストの歌詞や詩集を引用したりもする人も多いようですが、それは自分の言葉ではないことを念頭に置いておきましょう。

・タイプ2 偉そう系

「反省したかな? きみは僕がいないと絶対には生きていけないよね。僕が買ってあげた服もバッグもアクセサリーも、僕が選んであげたからこそきみは輝いていられたんだよ。わかってる? 今からでもいい、きみのしたことを許してあげるからやりなおそう」

ただひたすら偉そうな勘違い系です。相手がいつまでも自分を愛していると勘違いしているおり、なおかつ自分の非は認めません。元カレや元夫に多いタイプです。

・タイプ3 下手(したて)系

「ごめんなさい、俺が悪かったです。もう二度としません。俺は◯◯がいないと生きていけないんです。愛してます。絶対に離れません」

一見問題はないように見えますが、ひたすら下手に出られ続けると気持ちが悪いものです。しかも、もう別れた相手から延々とこのようなメールが送られてきたら恐怖で、人の罪悪感をくすぐるような内容に寒気がするという女性は多いようですよ。
さらにこのタイプはDV男である場合もあり、暴力と謝罪を繰り返すことも。
「ちょっとくらいならいいかな」と自覚がない人も多いようですね。遠回しに拒否されているのにメールをし続けている男性は要注意ですよ。残念ながらあなたにチャンスはありません。
また、恋愛感情からではなく相手の女性と仲良くしたいから、という場合においても非常に迷惑なんだとか……。

メールをするイメージ

■対処方は?

基本的にロミオたちは「相手も自分と気持ちは同じ」だという大きな勘違いをしているため、この部分を気づかせてあげることが大事です。

もっとも効果的なのは無視をすることですが、無視をしたから逆上されてインターネット上に個人情報を撒かれたという人も。
そういう場合はためらくことなく警察に相談することが大事ですが、警察は基本的に事が起こってからしか動いてはくれません。しかも中には「カップルの痴話喧嘩」だと思い掛けあってくれないなんていう場合も……。

なので、まずはロミオメールが送られてきたらすかさず「あ、ロミオメールはごめんね」と送りましょう。
そこで相手は一瞬冷静になるそうです。

それでも続けて送られてくるようなら相手に「恋人(夫)にスマホやケータイをチェックされていて、こういうメールが送られてくるとわたしが怒られてしまうから」と嘘でもいいので伝えてみてください。現在の恋人や夫の存在が大きいことをアピールしつつ、超恥ずかしいロミオメールが別の男性に見られていると知ったら途端に送ってくるのを止める男性も多いようです。

わたしたちは幼少期から「誰にでも優しくしなければならない」という教育を受けて育っていますが、それが呪いのようになってロミオ化した人にも最後まで優しくしてしまうということがそもそも相手を付け上がらせる原因になっているかもしれません。ちょっとくらいは心を鬼にするほうが自分の身を守ることに繋がるのかも。

バラの花

(文:貴崎ダリア)