▲北欧を代表する自動車メーカー、ボルボの中核モデルといえるV60。その好条件中古車が今、100万円台後半の予算で狙えてしまうこと、知ってました? ▲北欧を代表する自動車メーカー、ボルボの中核モデルといえるV60。その好条件中古車が今、100万円台後半の予算で狙えてしまうこと、知ってました?

プリウスαやフリードの中古車と相場はほぼ同じ

諸般の事情により100万円台後半ぐらいの予算感でミニバンに乗り替えようかと考えている方、いらっしゃると思います。それが心底納得のいく行動であるなら全然OKですが、もしも「本当は国産ミニバンって好きじゃないんだけど、家族がどうしてもと言うから……」的なモヤモヤを抱えているのであれば、いっそ「北欧製ステーションワゴンを買っちゃう」という選択はどうでしょうか?

というのも今、様々な理由によりボルボ V60の好条件物件が、プリウスαやヴォクシー、フリードあたりとおおむね同水準の予算で狙えるようになっているからです。

人気モデルですから今さら説明の必要はないかもしれませんが、ボルボ V60という車のプロフィールについて最初にざっとご紹介しておきましょう。

V60は11年6月に登場し、今現在も販売中のボルボ製ミドルクラス・ステーションワゴン。クーペを思わせる流麗なフィルムと充実した安全装備が特徴で、加えて内装のデザインセンスやシートの作りなども客観的に見て非常に優れています。特にフロントシートの座り心地は、「シートといえばフランス車でしょ!」と信じている人もびっくりなはず。

搭載エンジンは、初期モデルは直列4気筒の1.6L直噴ターボと3Lの直列6気筒ターボで、前者が「T4」および「DRIVe」、後者が「T6」といったグレード名でした。途中から2L 直噴ターボの「T5」が追加され、ここ最近は2L ディーゼルターボや1.5L直噴ターボ、2L 4気筒をターボ+スーパーチャージャーで過給するタイプが登場し、初期に採用されていた1.6Lと3Lの直噴ターボは廃番となりました。で、今回オススメしたいのは1.6Lの直噴ターボエンジンを搭載していた初期モデルです。

▲ボルボ V60の外観。写真は13年モデルまでの前期型で、14年モデルからはフロントフェイスなどのデザインがいろいろと変更されています ▲ボルボ V60の外観。写真は13年モデルまでの前期型で、14年モデルからはフロントフェイスなどのデザインがいろいろと変更されています

ただ安いだけでなく「走行4万km未満の物件」が安いんです

まずは具体的に中古車価格から考えてみましょう。中古車というのは1台ごとに価格が異なるため何事も一概には言えないのですが、国産ミニバンの方は「100万円台後半ぐらいの予算感」で買えるモデルというと、11年式日産 セレナや12年式トヨタ ヴォクシー、13年式トヨタ プリウスα、14年式ホンダ フリードあたりが主だったところになります。

これらはどれもステキで使い勝手の良いミニバンですが、北欧の雄・ボルボ V60だって実は似たような価格で狙えてしまうんです。

V60の平均的なお手頃物件はおおむね170万円前後の11~12年式DRIVeだと判断できます。……DRIVeの場合、もともとの新車価格が395万円ですから、これはなかなかのお買い得っぷりと言えるのではないでしょうか。

もちろんそれが過走行でボロボロの中古車でしたら、いくら安くてもお買い得とは言い難いものがあります。しかし、ボルボ V60の場合は走行2万kmから3万km台ぐらいの物件がこの価格水準で狙えちゃうのです。なかには走行わずか数千kmの物件が170万円前後で販売されているケースもたまにあります。……どうでしょう? なかなかのお買い得っぷりだと思いませんか?

もちろん何事も安いモノには安いなりの理由があります。で、その理由がイマイチ不吉なものであれば、なかなか買う気も起きないでしょう。でもボルボ V60の場合は決して「不吉な理由」ではありませんので、そのあたりはご安心いただいて大丈夫かと思います。

ボルボ V60の初期モデル中古車が妙に安い理由は、ズバリ「度重なるマイナーチェンジ」です。

▲全高はステーションワゴンとしてはほんの少々低めな1480mmで、全体のフォルムもややクーペ的。しかし車内の頭上空間などに閉塞感はほとんど感じないはずです ▲全高はステーションワゴンとしてはほんの少々低めな1480mmで、全体のフォルムもややクーペ的。しかし車内の頭上空間などに閉塞感はほとんど感じないはずです

初期モデルであっても安全装備は十分以上

もともとかなり充実していた先進安全装備の類は年を追うごとにさらに充実していき、13年8月からは外観デザインも少々変更され、最近ではボルボが「DRIVE-E」と呼ぶパワートレイン戦略に基づいて前述のとおりエンジンが刷新されています。その結果として、初期モデルの商品力が相対的に低くなり、そして中古車相場が下落したわけです。

しかし、初期モデルの商品力が低くなったというのは、あくまでも「相対的に」ですので、その絶対的な商品力が低いわけでは決してありません。

初期モデルにも「ヒューマンセーフティ」というミリ波レーダーとカメラを使った衝突回避機構が用意されていて、プラス25万円のパッケージオプションだった「セーフティパッケージ」付きの中古車であればこのヒューマンセーフティと、全車速追従機能付きアクティブ・クルーズ・コントロール、車線逸脱警告機能、斜め後方の車両接近を警告する「BLIS」などがセットになっています。後期モデルはそれらの性能がさらに磨かれているわけですが、初期モデルでも十分以上ではあるのです。さらに「レザーパッケージ」付きの中古車であればかなりの高級感すら感じさせてくれます。

唯一の問題点は「ミニバンと比べるとどうしても車内が狭く感じてしまう」ということでしょうか。ここについてはある意味どうにもなりませんが、「ミニバンの3列シートって、我が家にとって本当に必要なのか?」ということをじっくり考えれば、答えはおのずと出るかもしれません。

ということで、繰り返しになりますが国産ミニバンが悪いわけでは全然ないのですが、もしもそれを選ぶことに何らかのモヤモヤを感じているのであれが、同程度の予算で狙えてしまうボルボ V60もぜひ前向きにチェックしていただければ幸いです。

▲写真は本国仕様のレザーシート装着車。このシートの座り心地がとにかく最高ですし、コックピットまわりのデザインと質感もかなりのもの。たいていの人は十分以上に満足できるでしょう ▲写真は本国仕様のレザーシート装着車。このシートの座り心地がとにかく最高ですし、コックピットまわりのデザインと質感もかなりのもの。たいていの人は十分以上に満足できるでしょう
▲1.6Lの直噴ターボを搭載した初期モデルでも動力性能はなかなかのもので、よほどの走り屋さんでなければ「速い!」とすら感じられるはず。本当にオススメな選択肢なんです! ▲1.6Lの直噴ターボを搭載した初期モデルでも動力性能はなかなかのもので、よほどの走り屋さんでなければ「速い!」とすら感じられるはず。本当にオススメな選択肢なんです!
text/編集部
photo/ボルボ