熊本地震

九州旅行費を最大7割引 国が180億円支援、需要150万泊創出へ

 観光庁は31日、熊本地震の復興支援策として、九州への旅行商品を最大70%割り引く助成制度を創設すると発表した。平成28年度補正予算で計上した同地震復旧等予備費7千億円のうち、180億円を充てる。災害復興策として政府が旅行への割引を行うのは初めてで、夏の観光シーズンを前に客足の回復を急ぐ狙いだ。

 同制度は、国が熊本、大分を中心とする九州7県に交付金を渡し、ツアーを企画した旅行会社が県から補助金を受け取る。

 ツアーの平均割引率は、地域と時期で異なり、熊本、大分両県は7~9月が50%(最大70%)、10~12月が25%(同50%)。福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島の各県は7~9月が20%(同50%)、10~12月が10%(同40%)。

 九州では4月14日の地震発生後、宿泊キャンセルが5月8日までで約75万件に達した。政府は、割引によって150万人の旅行者を呼び込みたい考えだ。

 このほか観光庁は、海外向けのプロモーションに20億円を投じる計画。旅行会社の企画担当者や有名ブロガーなどを九州に招くツアーなどを行い、訪日観光客の呼び込みを図る。

 地震後の海外の動きとしては台湾と香港、ベルギーが渡航注意喚起を続けており、外務省を通じて解除を働きかける。

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