久米島にニホンウナギ 沖縄県内でまれ ホタル館で公開


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久米島ホタル館で飼育されているニホンウナギ=6月23日、久米島町大田の同館

 【久米島】久米島町宇根の南西興産の車エビ養殖場でこのほど、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギが発見された。ニホンウナギは現在、久米島ホタル館(佐藤文保館長)で飼育され、一般公開されている。同館によると、沖縄近海で見つかるのはまれ。

 同館を管理する「NPO法人ホタルとサンゴの島から」職員の戸部海童さん(29)によると、体長は約60センチで、未成魚の若い個体。夜行性のため昼はあまり動かず、夜中に餌を食べているという。

 ホタル館では敷地内でホタルを増やしているほか、館内で魚や昆虫など50~60種類の生物を飼育している。島近海でよく見られるオオウナギも展示されている。

 ニホンウナギは5月下旬、干すために水位を下げた養殖場で発見された。職員の磯淳一さん(41)が、水生生物を多く飼育しているホタル館へ持ち込んだ。

 磯さんは「海に面している水門からシラスウナギ(ニホンウナギの稚魚)が入り込んだのではないか」と推測し、「ホタル館で子どもたちに見てもらい、オオウナギと見比べて生物多様性を感じてほしい」と期待した。