宮古言葉に大爆笑 大会に9人、ユーモアたっぷり


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 【宮古島】みゃーくふつ(宮古圏域のしまくとぅば)を使って話芸を披露する「第23回鳴りとぅゆんみゃーく方言大会」(宮古島市文化協会主催)が6月25日、市平良のマティダ市民劇場で開かれた。24~91歳の男女9人が登壇し、漫才や寸劇などをユーモアたっぷりに繰り広げた。司会を務めたフランス出身で京都大大学院のセリック・ケナンさんの軽妙な語り口もあり、会場は爆笑に包まれた。最優秀賞に当たる市長賞は多良間村出身の来間トミさん(91)=豊見城市=が受賞した。

 来間さんは地域に伝わる嶺間按司にまつわるおとぎ話を紹介し、村に伝わる格言「気が立てば手を引き、手が出れば気を引け」を強調した。

 そのほか、自身が好きな潮干狩りを次男の玄次さんと一緒にコミカルに実演。観客は当初、耳慣れない「多良間フツ」に戸惑い気味だったが、2人の実演が始まると会場に笑いが巻き起こった。

 49歳から沖縄本島に住む来間さんは「本島で方言を話すと『来間さん、英語がペラペラね』と言われる」と笑う。「優勝できてとってもうれしい。(多良間村に伝わる)大昔の大切な話を伝えられてよかった」と晴れやかに話した。

 同大会は文化の基層を成す方言にいま一度思いを深め、みゃーくふつの表現の豊かさを共有し、継承することなどを目的に毎年開かれている。

 他の受賞者は以下の通り。(敬称略)
 市教育長賞=前川良子▽市文化協会会長賞=下地秀樹▽審査員特別賞=新里英斗▽宮古毎日新聞賞=ヒコちゃん(上里勝彦)、みっちゃん(与那覇光秀)▽宮古テレビ賞=与那覇淳▽宮古島観光協会会長賞=池間健栄▽FMみやこ賞=国仲徳三

次男の玄次さん(左)と一緒に潮干狩りを実演する来間トミさん=6月25日、宮古島市平良のマティダ市民劇場
登壇者の「みゃーくふつ」に爆笑する観客