絶品のフェス限定コロッケが最高!
都内随一のカレー激戦区である東京・下北沢で、毎年10月に10日間開催されている「下北沢カレーフェスティバル」をご存じでしょうか? 期間中にのべ10万人が訪れるという、下北沢の一大街おこしイベントです。
そして、今年2016年の春……さらに新たなシモキタのグルメイベントが開幕! その名も「下北沢コロッケフェスティバル」。個性豊かな参加店舗が様々なオリジナルコロッケをフェス限定メニューとして提供! 2016年4月13日~4月24日の12日間、心ゆくまでコロッケを味わい尽くせるコロッケ三昧のフェスとなりました。しかもコロッケフェスの参加店舗は、なんと101店舗! 1日や2日で回るには、ちょっと無理がありそう……。せっかくだから選りすぐられたコロッケを堪能したい……。というわけで、今回も下北沢のお店を知り尽くしたアノ男にコロッケフェスのナビゲーターになっていただきます!
下北沢初代永世カレー王、再び
「下北沢カレーフェス」で伝説となった男・初代永世下北沢カレー王である坂ノ上九郎氏(前回の記事はこちら)。今回も彼のおすすめするお店と、その限定コロッケメニューを紹介します。題して【下北沢カレー王と巡るコロッケフェスツアー!!】道すがら、カレー王に確認しておきたかったことを聞いてみました。
──今回のコロッケフェスでは、カレーフェスのようなスタンプラリーなどはないみたいですが……。
「そうみたいですね。しかし、せっかくの機会なので一人で勝手にスタンプラリーをしています。『自称・下北沢コロッケ王』を目指してます」
──勝手に名乗ろうとしている!!
「いやいや運営にも一応確認はしてますよ。『ご自由に』とやんわり突き放されましたが(笑)。ちなみに現在の時点で(4月15日)で20店舗くらいまわりました。目標は参加店舗半数の50店舗です」
──12日で50店舗!? いや、10日で70店舗をまわるカレー王ならできないことはないでしょうけど……。
「でも、思った以上に苦戦してますよ。年齢的に揚げ物が続くと胃もたれが……」
勝手に非公認の二冠を目指すわりに少々弱気なカレー王。そうこうしているうちに一軒目に到着しました。
【閉店】美味しい食事が楽しめるオシャレ系カフェ「カフェ ジンク」
カレー王1軒目のチョイスは、下北沢西口すぐにある「カフェ ジンク」。白を基調にした落ち着いた内装が女性に評判のカフェです。
「もう外観からしてオシャレでしょう? でも侮ることなかれ。このお店はカフェメシの概念をくつがえすほどに料理が美味しいんですよ! 定番メニューにもカレーが多く、カレー王としては外せないお店です」
下北沢カレーフェスでも毎回斬新なカレーメニューを生み出している「カフェ ジンク」。今回のコロッケフェスでは果たして……!?
入店直後に速攻でビールを注文するカレー王。
「ここの生ビールは銀河高原ビールです。どんな料理にも合うので、とりあえず……」
とりあえず、じゃないよ! もちろんビールはあっという間に飲み干され、コロッケが来る前にグラスは空になってしまいました。
そして待ちに待ったコロッケフェスの特別メニューがやってきました! その名も「ポルチーニコロッケ・デ・ポルチーニカレー」(1,600円)。小ぶりなコロッケが5つ、キレイに盛り付けられています。
「この『ポルチーニコロッケ・デ・ポルチーニカレー』は、高級きのこであるポルチーニ茸をふんだんに使ったコロッケカレーです。とはいえ、このルーはブルーソース風味で、こちらにもポルチーニがたっぷり。カレー感はほのかにクミンの香りが香る程度ですが、これがまた濃厚かつクリーミーなポルチーニコロッケにぴったりなんですよ!」
ポルチーニクリームがたっぷり詰まったコロッケは、ルーとお米をいっしょに頬張ると口内をとてつもない多幸感で満たしてくれました。
「実はコロッケの味は2種類。5つの中に旬の桜えびコロッケが隠されています。この遊び心がうれしいですね。そして、クセが強めの食材も万人に愛されるようなまろやかさに仕上げてくるのはさすがのひと言。常に妊婦さんやお子さんにも安心して食べられるメニューを考えているお店だけに、こんな華やかな一皿にも優しさがにじみ出ますね」
単なるオシャレカフェに留まらない「カフェ ジンク」の創作メニュー。ぜひ定番ものも味わってみたいですね!
下北沢カレーの勢力図をぬり替えた超実力店「Rojiura Curry SAMURAI.下北沢店」
カレー王2軒目のチョイスは、札幌発祥のスープカレー店「Rojiura Curry SAMURAI. 下北沢店」。2014年のオープンから、カレー王をして「シモキタのカレー勢力図をぬり替えた」と言わしめたお店です。
「オープン前でも並ぶことを覚悟しなければならないくらいのお店です。とはいえ、その美味しさは折り紙つき。下北沢四大スープカリーの一画を担う実力は伊達じゃありません」
カレー王も絶賛の「Rojiura Curry SAMURAI.」は、コロッケフェスにどんなカレーをぶつけてきたのでしょうか?
予想通りビールを注文するカレー王。
「2軒目は自粛しようかと思ったのですが、ハートランドが置いてあるなら話は別。重すぎない味わいはカレーにも合いますが、コロッケにもぴったりですよ。」
絶対、自粛する気なんてなかったくせに……!
そしてやってきたのは「自家製男爵イモのコロッケと野菜のカレー(野菜20品目)」(1,480円)。やはりカレーです! スープはレギュラーのトマトベースでかなりの辛口。そして正直、お腹にライスの入るスペースありますか!? ってくらい具がゴロッゴロ!!
「ちなみに野菜13品目だと1,380円なのですが、やはりここは20品目! 野菜ごとに調理方法が変えられているので食感に飽きがこないところがポイントです。特に他のお店ではなかなか見ないネギや、コロコロした大豆はアクセントとして最高ですね!」
北海道産野菜の素材の味がぞんぶんに生かされたコロッケスープカレー。しかし、写真を見てもわかるようにコロッケ自体の存在感はあまりなく、あくまでも具材のひとつに徹しています。
「コロッケは、男爵イモを使ったごくごくシンプルでベーシックなものとして仕上がっています。だからこそ個性豊かな野菜たちと見事に調和していてオリジナリティが保たれている。このお店のスープはガツンと辛くてトロミのある濃厚なタイプ。これが最低限の味付けしかしていないコロッケに徐々に染みていく様は、あっぱれとしか言えないですね。計算されつくしてますよ!」
野菜だけでなく、ザンギやひき肉など肉系トッピングも充実! ぜひコロッケも、フェスが終わった後も追加トッピングとして定番化させて欲しいです。
カレー王も注目する本格スペイン料理店「IBIZA 下北沢」
さて、最後は、本格スペインバル「IBIZA下北沢」。カレー王らしからぬチョイスですが……。
「いやいや、私もたまにはカレーじゃないお店を推しますよ。このお店は今回のコロッケフェスの中でトップクラスの変わったコロッケを出したんです」
カレー王がカレー店以外に目をつけるだなんて……このお店はいったいどんなコロッケメニューを提供しているのでしょうか。
もう何も言いません。小洒落たバルでもブレずにビールです。
「バルといえばカールスバーグ。スッキリした味わいはコロッケにもベストマッチです」
当たり前のようにコロッケが来る前に飲み干されるわけですが……。
え……?
何これ、パフェ……?? コロッケ入ってるのにスイーツ……??
なんとこちらのコロッケフェス限定メニューは「ふわふわホイップのコロコロパフェ」(700円)です。
「この発想はなかった! って感じですよね。フェス参加の全101店舗の中で、コロッケをスイーツ仕立てにしたのはこのお店だけです。ぶっちゃけ、スペイン要素は皆無なのですが(笑)。この見た目のインパクトだけでも注文する価値がありますね」
よく見ると、イチゴに見えたのはプチプチサイズのトマト!
鮮やかな緑はメロンではなくブロッコリーでした。
「まずもってコロッケが美味しいですね。柔らかめにマッシュされたコロッケが、たっぷりのホイップクリームと絡むとさらにクリーミーで絶妙な食感をかもし出します。かかっているのはコロッケソース。奥にはイチゴソースに見えるケチャップも仕込まれています」
これは、まさにおかずパフェ! クリームやアイスなどスイーツ要素も盛り込みつつ、しっかりコロッケの美味しさを引き立てています。
「アイスも甘酸っぱくて、違和感がありませんね。そして注目は、グラスの下に敷き詰められたコールスローとポテトサラダ。さらに最下層には甘味のないコーンフレークが。まるでこのパフェの中で前菜からメイン、デザートまでのフルコースが再現されているかのようですね。下にいけばいくほど美味しくなる、素晴らしい構成です」
もちろん通常のメニューも、スペイン料理の定番をきちんと押さえながらオリジナリティーも満点。カレー王も次は女性とのデートで使いたいとのこと!
コロッケフェスツアーを終えて
いかがでしたか? どのお店も今回の限定メニューはもちろん定番メニューも絶品の予感……これはもう行くっきゃない!
ちなみにカレー王は、このフェス期間でなんと62店舗のコロッケを制覇!
公式的に発表されることはないでしょうが、自称・コロッケ王の座も勝ち取ることができたのではないでしょうか。
「カレー王はカレー以外のフェスもしっかりチェックしていますよ! 今後も下北沢では様々なグルメフェスが行われる予定なので、ぜひ皆様お楽しみください!」
お店情報
【閉店】カフェ ジンク
住所:東京都世田谷区北沢2-22-13
電話:03-3414-8079
営業時間:12:00~23:00(LO 21:30)
定休日:木曜日
Rojiura Curry SAMURAI.下北沢店
住所:東京都世田谷区北沢3-31-14
電話:03-5453-6494
営業時間:ランチ11:30~15:30(LO 15:00) ディナー17:30~22:30(LO 22:00)
定休日:無休
SPORTS EXCITING BAR FULL SWING(旧カフェ&ソファーダイニング IBIZA 下北沢)
住所:東京都世田谷区北沢2-4-5 mosiaビル4F
電話:03-6805-3350
営業時間:【ランチ】月曜日~日曜日/11:30~15:30(LO 15:00、ドリンクLO 15:30)
【ディナー】月曜日~木曜日・日曜日・祝日・祝前日/17:00~24:00(LO 23:00、ドリンクLO 23:30)
金曜日・土曜日/17:00~翌5:00(LO 翌4:00、ドリンクLO 翌4:30)
定休日:無休
ウェブサイト:https://ibiza.owst.jp/
※金額はすべて消費税込です。
※本記事の情報は取材時点のものであり、情報の正確性を保証するものではございません。最新情報はお電話等で直接取材先へご確認ください。
書いた人:
もちづき千代子
人生が常に大殺界な人妻ライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像技術者・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を始める。人生のテーマは「酒と涙と男と女」。