ウッドコーンスピーカーを持つ私として無視できないものが出た。
40mm口径の振動板
JVCからWOODシリーズのヘッドフォンが発表された。
ウッドコーンスピーカーという木という材質を使ったスピーカーがあったが、それのヘッドフォン版である。
JVCはもともとインナーイヤー型のウッドドームユニットを採用したイヤフォンを製造しているが、それはインナーイヤー型という事でユニットそのものは11mm径だった。使われているウッドシートの厚みは80μmで、当時はこれでも十分スゴイ製品と言えた。
しかし、今回は40mmという大きなユニットを持つヘッドフォンであり、同じ製造方法では作る事ができない。まして重量のあるウッドシートを使う以上、80μmの厚みでも重さで音圧や高域特性が低下して性能が出せない。そこで今度はウッドシートを50μmで製造する技術を確立、今回の製品化に成功したという。
木というのは、思いの外柔軟性があり、そうかと思えば堅くなったりして割れたりもする。ウッドコーンスピーカーの時もそうだが、そういう木の特性を部分的に超越しないと音を扱う製品を作ることはできないのだが、JVCはその超越しなければならない所を実に上手く解決してくる。
そもそも、木と音の親和性というのは昔から非常に高く、それは楽器などでも木製のものがある事で説明がつく。弦楽器のほとんどはボディが木製だし、吹奏楽器にも木製楽器が多数存在する。だから音を響かせるという役割に関しては、木というのは非常に馴染みやすい。
ただ、だからといってそれがスピーカーやヘッドフォンにそのまま使えるか? となると話は変わる。それが前述の超越しなければならない部分であり、ヘッドフォンの場合はウッドシートの厚みがそれに当たるのである。
しなやかさだけではない
そんな木の特性を多分に取り入れたWOODシリーズのヘッドフォンだが、しなやかな音だけでなく、実にシャープかつハイスピードな音を出してくるようだ。
これはウッドコーンスピーカーの時も全く同じである。木で作られているとは思えないほどシャープな音が聞こえる事に、最初は驚いた。
慣れてくると、木で作られている事を忘れてしまうぐらい普通に聞こえてくるのだが、その繊細さは他材質のヘッドフォンやスピーカーでは感じる事のできない特徴である。
スピーカーの時ですらそう感じたのである。
耳元の空間で音を再現するヘッドフォンなら、より繊細に聞こえてくる事が容易に想像出来る。
今回発表されたWOODシリーズは、プレミアムモデルの「HA-SW01」通称WOOD 01と通常モデルの「HA-SW02」通称WOOD 02だが、ウッドドームユニットを使っているという面ではどちらのモデルも違いがない。
ただ、WOOD 01はウッドバッフル、響棒、整振ウッドプラグなどの音響ウッドパーツを採用し、より繊細な音を表現するモデルとなっている。
だからWOOD 01はその価格が70,000円前後と非常に高価な設定になっている。WOOD 02も50,000円前後と価格としては高価な部類だが、よりプレミアムなWOOD 01はその品質も価格もワンランク上という構成である。
ただ、この価格だけの価値は確実にあると思う。
昨今の高級志向から考えれば、この価格は決して高いものではなく、価格に見合った、場合によっては割安感すら感じる設定ではないかと思う。
但し、絶対価格としては高く感じる事は間違いないがw
野村ケンジ氏のレビュー
http://av.watch.impress.co.jp/topics/jvc1511/
木の音を聞くって、静かな森に出かけて幹に耳を当て、水の流れる音を聞くのかと思ったw
ウッドコーンのヘッドホンも出たのですか。
そういや最近ヘッドホン使ってないなぁ…。
側圧に弱くて頭と耳が痛くなるからって言うのもあるけど、ヤッパリ良い音を聞きたいですね。
ウッドコーンのイヤホーンも有るみたいだから、機会があったら試聴しに行ってみようかな。
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ウッドコーンスピーカー、相変わらず良い音を出すのですよ。
小さなフルレンジスピーカーだけど、柔らかいところは柔らかく、スピーディな所はスピーディに、シャープな所はシャープに、と、実にキビキビとした音を出してくれます。
なのでこのヘッドフォン、ホントは欲しくて仕方が無い…。
高すぎるのが最大の問題だが(-_-;)
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