ノーガード戦法とは、
『ガードを捨てて他の要素に集中する戦法』
または 『ガードしないことで得られる別の効果を利用する戦法』、
もしくは『まったくの無防備の戦いを他者や自身が見たときの感想』 である。
概要
『無防備』状態、とすると攻撃要素や他の救済方法(サポートやリカバリ)も無い状況を示すが、
ノーガードとよぶ場合は防御だけが無い時が多い。
矢吹丈が主人公のボクシングものの作品『あしたのジョー』で、
ファイティングポーズをとらずに両手を下ろした棒立ちのまま相手の攻撃をガードしない“ノーガード戦法(両手ブラリ戦法)”が、
その見た目のインパクトから(ただし一部に『ガードをしないで攻撃を受ける』というイメージで)広まることになる。
矢吹丈の戦闘センスと打たれ強さから成し得られる、相手の一瞬の隙を見出し(また、相手の動揺を誘い隙を作らせ)
最大限の攻撃(クロスカウンター)を放つという、実戦から生まれた戦法で、まさに肉を切らせて骨を断つ、である。
(※使用者の意見です 効果には個人差があります)
実際のボクシングなど格闘技の試合でも、ファイティングポーズの状態ではなくガードを下げるスタイルの戦法をとる選手も存在する。
ガードを下げると打撃が当たる面の小さくなり距離も離れること、相手からすると目線と離れた所からパンチが出せるという利点があり、
特に、リーチの長い選手や相手より速さで勝る場合有効な戦法である。
もっとも、相手の攻撃を無防備で受けるわけではないが、ジョーの戦闘スタイルになぞらえて“ノーガード戦法”とされると思われる。
ブラジルの総合格闘家アンデウソン・シウバがそのリーチの長さによってガードを下げて戦闘を有利に展開する。
もっとも、単なる挑発や相手の意表をつく作戦でガードを下げる戦法をとる場合もあり、そのためには高い技術や能力差が必須となる。
そのほかのノーガード戦法
将棋にもノーガード戦法と一般的に呼ばれるものがあり、序盤で行われる奇襲作戦であり守りが薄くなる。
ただし防御がまったくなくなるわけではないようだ。
『サイバーノーガード戦法』と呼ばれるものがある。
ネットサービスの提供者が、不正アクセスへの対処にほとんどコストをかけず、サービスの脆弱性などを放置するというものである。不正アクセスや情報流出が起こってから対処するため、起こる前はローコストで効率的だというメリットがある。屁理屈に聞こえるかもしれないが、やってる側は正気のつもりである。特にブラック企業における常識的な運用方法である。
サイバーノーガードを採るメリットとしては以下の通り。
- 費用がかからない
(タダより安いモノはない…そもそも日本はセキュリティ費用対策が理解されていないケースが多い) - 担当者はにわか知識程度の者やPCオタクを採用し、問題発生時に責任を取らせるため即刻切り捨て
(この程度の人材であればいくらでもいるため) - インシデント発生時の対処法もきわめて簡単で騒ぎが収まるまで待てば良い
(発生時にはベンダーや下請けなどにたらい回し、自らも被害者と訴えるだけ)
しかし一度問題が起こってしまってからは最悪の事態になる。サービスの提供者は、不正アクセスの被害者になると同時に情報流出の加害者になるため、事態は混迷を極める。被害への対処としてセキュリティーの強化等を行う必要があり、加害への対処として謝罪や補償等を行う必要がある。Pマーク認定の取り消し、被害者からの訴訟への対処などもあり、全体として社会的信用を失う。
ただしインフラ関係(電力や下水道施設)などセキュリティパッチなどを適用するために稼働停止が簡単に許されない設備においては中々対策ができないのが現状である。有名なところではStuxnet(スタックスネット)がイランにある原発施設で感染したという事例がある。この手の施設は機密性よりも可用性が優先されるため致し方ない点はある。
これからネットサービスを始める方へ:サイバーノーガード戦法は絶対に採用してはいけません
ゲーム『ポケットモンスター』の“とくせい”のひとつに“ノーガード”があり、お互いの攻撃が必ず当たるようになる効果がある。
その名の通り“ノーガード戦法”といえる使い方ができる。 他、野生のポケモンのエンカウント率アップ。
スポーツで野球の『乱打戦』や、サッカーの『点の取り合い』のような大量得点の試合を“ノーガード”と表現することがある。
しかしサッカーの場合は攻撃に大きい比重を置いた戦法はあるものの、
ゴールキーパーまで攻撃に加わる完全ノーガードの攻撃はフィクションでもあまり見かけない。
日本のプロ野球においてはチームの構成を攻撃重視にして、「相手に点を取られてもそれ以上の点を取って勝つ」
という、投手などの防御よりも打線の補強を優先するチーム作りの戦法がとられる。
観客にとってもホームランや好調な打線で試合は大きく盛り上がり、話題に上がることでの宣伝効果もあり
一粒で三度おいしい効果があるが、戦績が安定しないなどノーガード打線のデメリットも大きく、
『脱・ノーガード戦法』が強いチームへの第一歩となると思われる。
それとは別に得点差や戦力があまりにも一方的な試合を揶揄して“ノーガード戦法”と呼ぶこともある。
「はっはっは!ノーガード戦法か、こりゃ一本とられたわい!」「戦法なら仕方ない」など観客の反応は分かれるが、
面白い試合だったのであれば『この戦法は成功だった』としてかまわないのではないか。
『けっこう仮面』
どこの誰だか知らないけれど、カラダはみんな知っている正義の味方。
女性にもかかわらず仮面の他は全裸というインパクトによって、かえって正体を悟られないという斬新な戦法である。
『アストロノーカ』
アストロノーカには「バブー」と呼ばれるプレイヤーが育てている畑の野菜を荒らしに来る害獣がいる。食い荒らされた野菜は当然収穫できなくなったり、収穫できても品質が落ちたりする。何より成熟すると手に入る種が手に入らなくなるのが一番痛い。通常プレイでは罠(トラップ)を仕掛けてこれを撃退するが、バブーはトラップ耐性が付きやすく、まず間違いなく仕掛けては突破され、仕掛けては突破されのいたちごっこになる。
それならば、と敢えてバブー用の食い散らされてもいい畑を開放し、別の畑で本命の野菜を育てるというトラップを使わない=ノーガードで農業をするプレイヤーが続出。これがノーガード農法と呼ばれるものである。
この戦法の長所は前述のバブー撃退以外にも野菜を食べたバブーが落とす「ゴールデン強化種」と呼ばれる貴重なアイテムにある。ゲーム中でもこれを手に入れて一代で勝ち組になった人物がいるほどのチートアイテムで、これを手に入れる方法はバブーに野菜を食わせるか「これで強化した野菜」を人にあげるしか無いので、実質ノーガード農法こそ勝ち組に最も近い農法であるとも言える。
ちなみにトラップの特性と組み合わせ、バブーの行動を熟知したプレイヤーならトラップの配置をずっと変えずにバブーを「撃退ハメ」することも可能ではある。
ノーガード戦法と呼べるかどうか不明なもの
「っべーよぜんぜん勉強してねー」 という、日本古来からの作法でもある
“勉強してないアピール”は一般的に広く普及しているノーガード戦法といえる。
が、「俺も俺も勉強してないー(昨日は4時間しか)」というような『個人差による価値観の違い』もあり、
戦法としての100%の立件は事実上不可能である。
成長時パラメータ手動振り分け方式をとっているゲームなどでは、平均的に振り分けるバランス型にするよりも
一極集中させる特化型のほうがゲームを進めやすいなどの利便性があるものが多い。
その時も『物理攻撃』『魔法などの数値』『スピード』などに特化させ、
防御力皆無の“結果的なノーガード”になってしまうことが多い。
さらに防御力の高い少数派はノーガード勢に“壁”や“盾”と呼ばれたり、ちょっと攻撃しようとすると怒られたりする。
さらにオンラインゲームなどではゲームバランスが崩れ、
パラメータ成長自体での有利不利を無くすアイテムなどの要素を取り入れざるを得ず、
せっかくつくった好みのキャラクター性が台無しになったりする。
全裸が強いという風潮
某“海パン刑事”の主張はかなり「ノーガード戦法」として成り立っている、が、全裸が社会的に認められるかどうかは別の話である。
いたずらに“ノーガード”を主張しすぎるのは考え物。
(※特殊な訓練を受けています よいこはまねしない)
“脱げば脱ぐほど強くなる”・“露出度(肌面積)が上がるほど強くなる”という設定は意外に多く見られるが、
実際のところ『ただ脱ぎたいだけ』『脱がせるための口実』なので “お約束” であり、設定自体が“戦法”であるといえる。
ゲーム 『 ウィザードリィ 』(RPG) では防御力をAC(アーマークラス)という値で表すが、
職業のひとつ忍者(Ninja)の場合他の職業と違って何も着ていない状態のほうが防御力が高くなる。
開発者の心情は測り知れないが、
「忍者最強説」とか「全裸最強説」や「日本刀最強説」みたいな物は、
いわゆる「執事万能説」のような憧れも含むファンタジーなのかもしれない。
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