公文書管理デジタル化、2020年代半ばに完全移行 政府骨子案

 公文書管理の適正化のため政府が今年度中の策定を目指している基本方針の骨子案が29日、分かった。防衛省の日報問題などのずさんな管理が露呈したことを受け、大半が紙だった公文書を原則的に電子文書に切り替え、2020年代半ばに文書の作成から保存、国立公文書館への移管・廃棄まで完全にデジタル化する方針を盛り込んだ。

 骨子案は公文書管理担当の片山さつき地方創生担当相が出席して30日に開く有識者の公文書管理委員会で決定し、内閣府が今年度中に基本方針を策定する。

 政府の公文書は現在、9割が紙の状態で保存されているが、紙文書は職員が開示請求を受けても見つけ出すのに時間がかかる上、紛失のリスクも高い。すでにデジタル化されていた一部の文書についても、体系的な管理を行っていなかったことを踏まえ、今後は作成や保存、廃棄など全てのプロセスを電子的に行うシステムに切り替える。

 骨子案は、新システム移行への準備期間を22年までと見積もり、その後の4~5年間でデジタル化を完了する工程表を示した。各府省庁の保存期間が終了した公文書を管理する国立公文書館が26年度に新設されることを踏まえ「新たな公文書館の開館時期を目途に本格的な電子管理に移行する」と明記した。

 また、ICT(情報通信技術)を活用した効率的な管理も目指し、PDFファイルなど長期保存に適したアプリケーションを使用することなどを盛り込んだ。

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