伊盛牧場(石垣)に毎日農業大賞 経営多角化で評価


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島尻勝広県農林水産部長(左から3人目)に毎日農業大賞受賞を報告する伊盛牧場の伊盛米俊社長(同2人目)=19日、県庁

 先進的な取り組みを行う農業者を表彰する第65回全国農業コンクール(毎日新聞社主催)の受賞者がこのほど発表され、石垣市の農業生産法人・伊盛牧場(伊盛米俊社長)がグランプリの「毎日農業大賞」を受賞した。県内からのグランプリ選出は初めて。牛舎に送風機やミストを設置して暑さに弱いホルスタイン種の乳量増につなげたほか、地元農産物を生かした加工販売所の展開など、暑熱地域の離島における酪農経営の実践が評価された。

 1980年から畜産経営を始めた伊盛さんは、乳量の多いホルスタイン種を石垣島で導入し、雄雌の産み分けが選別できる精液を利用した後継牛の育成など経営効率を高めている。2010年には直売所「ミルミル本舗」を開設し、乳の出が悪くなった牛をハンバーグにして販売したり、ジェラートに地元で生産された規格外の農産物を利用したりするなど、経営の多角化を進めた。子育て世代の女性の雇用など地域全体の活性化につながっていることが評価された。

 19日に県庁を訪れ受賞を報告した伊盛さんは「私自身も受賞に驚いている。多くの人の協力のおかげだ。後継者の育成も行い、産業の発展に寄与したい」とあいさつした。