報道発表資料

hitoeを活用したドライバー向け眠気検知システムの実証実験を開始
<2016年5月10日>

株式会社NTTデータMSE
国立大学法人京都大学
国立大学法人熊本大学
株式会社NTTドコモ

株式会社NTTデータMSE(以下NTTデータMSE)、国立大学法人京都大学(以下京都大学)、国立大学法人熊本大学(以下熊本大学)、および株式会社NTTドコモ(以下ドコモ)は、着用することで心拍などの生体情報(以下心拍データ)を取得できるhitoe®(ヒトエ)ウェアを活用したドライバー向け眠気検知システム(以下本システム)を共同で開発し、本日から運送会社協力のもと、眠気検知に関する本システムの有効性を検証する実証実験(以下本実験)を開始いたします。

本システムでは、京都大学、熊本大学が新たに開発した眠気検知アルゴリズムを実装したスマートフォン向け専用アプリ(以下専用アプリ)をNTTデータMSEが開発しており、専用アプリをインストールしたスマートフォンに、hitoeウェアおよびドコモが開発した「hitoeトランスミッター01」1が取得した心拍データを送信することで、夜間や長時間運転をするドライバーの眠気を検知し、ドライバーにアラート通知するとともに、加えて管理者にもメールでアラート通知いたします。
これにより、ドライバーの居眠り運転等を未然に防ぐためのサポートが可能となります。

今回、京都大学と熊本大学が共同研究により開発した眠気検知アルゴリズムは、覚醒時の心拍パターンを正常として、多変量統計的プロセス管理2(MSPC)という工学的手法を用いて、心拍間隔の平均や副交感神経の活性度など8種類の心拍変動指標3から、正常時の心拍パターンとの差から眠気を判断する新たに編み出したアルゴリズムです。
本システムは、ドライバーがhitoeウェアを着用するだけでふだんと同じ自然な状態で心拍データを取得することができるため、運転を妨げることがありません。さらに心臓に近いところで計測することにより、精度の高いデータを取得することが可能です。4

運送会社のドライバーが実車環境で本実験を行うことにより、実運用を通じてドライバーおよび管理者への通知タイミングや通知方法の精度向上を図るとともに、商用化に向けて最適化する目的で実施いたします。

将来的には、取得した心拍データをクラウド上に蓄積して、管理者が過去の心拍データとの比較や傾向を把握する機能の追加や、車載器等から取得した白線逸脱や車の揺れなどの操作情報と、心拍変動指標を連携した統合的なデータを解析するアルゴリズムを新たに開発することで、さらにドライバーや管理者をサポートできる仕組みをめざします。

4者は本実験を通じ、今後もドライバーをサポートするサービスの開発や提供を推進し、安心で安全な車社会の実現に積極的に貢献してまいります。

  1. 「hitoeトランスミッター01」は、hitoeウェアで取得した心拍データをスマートフォンに送信できるドコモが開発した機器です。
  2. 多変量統計的プロセス管理とは変数間の相関関係を考慮して高度な管理を実現するための方法です。
  3. 心拍パターンから、8種類の眠気と関連する領域に対して設定した変動を検出する閾値のことです。
  4. 非薬事品のため、診断、治療を目的とした利用はできません。

別紙1 概要

1. 実験内容

運送会社協力のもと、運転中のドライバーから心拍データを取得して実験を行います。
本実験は、スマートフォンの専用アプリに随時送信される心拍データに基づき眠気を検知する機能の精度や、眠気を検知した際にドライバーおよび管理者へアラート通知するタイミング等について、取得した心拍データや運転手のアンケート結果等を元に検証を行い、商用化に向けて最適化するためのものです。

2. 実験期間

2016年5月10日(火曜)〜2016年8月31日(水曜)

3. 実験環境

  1. 実験場所
    関東圏内の一般道、高速道路
  2. ドライバー
    • 事業用小型トラックを運転する運送会社社員10名程度(1社あたり1)で実施
    • 正確なデータ取得を行うため1人あたり一週間利用し、最終日にアンケートを実施

4. 各者の役割

各社の役割一覧表
各社・大学名 概要
京都大学
  • 眠気検出方法および眠気検出装置に関わる技術の提供
  • 本実験実施におけるアドバイス
熊本大学
  • 本実験実施におけるアドバイス
NTTデータMSE
  • 専用アプリの提供
  • 本実験で取得した心拍データの統計化
  • その他、本実験に付帯する作業等の支援
ドコモ
  • hitoeウェア、hitoeトランスミッター01、スマートフォン、通信回線等、実験に必要な機器の提供
  • hitoeトランスミッターSDK2の技術支援、本実験の計画策定

5. 専用アプリの主な機能

専用アプリの主な機能一覧表
機能 項目 機能概要
各種設定 アラート音設定 眠気検知後のアラート時間・音量の設定
バイブ設定 眠気検知後のバイブ時間の設定
メール通知設定 管理者側へ送付するメールアドレスの設定
眠気検知 ユーザー通知 眠気検知後、音・バイブ・画面表示によりユーザーへ通知
管理者通知 眠気検知後、設定したメールアドレスへ検知をした事実および検知した時間を通知3
  1. 本実験は運送会社3社の協力を予定しています。
  2. 「hitoeウェア/hitoeトランスミッター01」から取得できる心拍データをアプリに組み込むための開発ツールです。
  3. メールアドレス非設定時は送付しない。

別紙2 本実験時の全体イメージ

イメージ画像

  • 「hitoe」は、東レ株式会社および日本電信電話株式会社の登録商標です。
  • 「Bluetooth」は、Bluetooth SIG, INCの登録商標です。

報道発表資料に記載された情報は、発表日現在のものです。仕様、サービス内容、お問い合わせ先などの内容は予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。

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