住まいの雑学
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末吉 陽子(やじろべえ)
2015年10月28日 (水)

秋・冬がオンシーズン! ねずみ駆除の方法とは?

秋・冬がオンシーズン!ねずみ駆除の方法とは?
写真:iStock / thinkstock
いつの間にか、家屋にすみつくねずみ。ゴキブリなどの害虫に比べ駆除が難しいとされていますが、有効な撃退方法はないのでしょうか? ねずみ駆除を専門に行うラットパトロール、運営会社である株式会社GPコーポレーションの江口久義さんに話を伺いました。

家ねずみはダニや細菌の温床に

そもそも、ねずみはどんなところから侵入してくるのでしょうか?

「家に出没するねずみは、主に“ドブネズミ”と“クマネズミ”、そして “ハツカネズミ”の3種類。床下の通風口や軒下や屋根などの隙間、マンションだと排水管やエアコンの室外機の配管などからも入ってきます。1.5~2.0cmほどの隙間があれば通り抜けることができるので、建物のあらゆる隙間から入ってくる可能性があります」(江口さん、以下同)

小さい身体と賢さを併せもつねずみ。退治しようにもなかなか手強そうです。
ちなみに、家ねずみによる被害にはどのようなものがあるのでしょう?

「被害は大きく分けると、“不衛生”“悪臭”“破損”の3つです。屋外の汚れやダニ、ノミを付けて動き回り、移動しながら多くの抜け毛や糞も落とすので、室内の衛生状態が悪化します。さらに、物をかじる習性があるので食品被害はもちろん、天井裏や壁内に忍び込み電気等の配線、柱や扉などをかじり傷つけます」

壁一枚隔てたところにねずみがいるなんて、考えただけでも眠れそうにありません……。またねずみは寒さに弱いため、秋ごろから暖かい建物の中に侵入してくるケースが多いのだという。10月~11月ごろから「ねずみが家の中に出た!」という問い合わせが増えるのだとか。

多いときは20匹も! まずはねずみの侵入口をプロに探してもらおう

さらに秋は繁殖シーズンでもあるとのこと。屋内で大量に繁殖してしまったなんてことにならないためにも、いち早くねずみの存在に気づき、対策をとっておきたいところですが……。

「ねずみの存在は、天井裏や壁内の音によって気づく人がほとんどです。ねずみは成長すると警戒心が身につき、音を立てなくなりますが、子ねずみは警戒心が弱いので、チューチュー鳴いたりトタトタと足音を立てます。音がするということは、生まれたばかりのねずみがいる、つまり1匹ではなく複数のネズミが家の中で繁殖している可能性が高いということになります。さらには、部屋の中に出てくることもあり、食べ物がかじられていたり、糞が落ちていることで気がつくケースもあります」

さらに、難しいのが駆除の方法。

「ネズミは容易に捕まりません。とくにクマネズミは警戒心が強く知能が高いため、はじめは罠にかかっても学習し、知恵を付ける前の子ねずみ以外は罠にかからなくなってしまいます。すべてのネズミを駆除するには罠による捕獲だけでなく、計画的な追い出しや侵入口の閉そくを実施しなければなりません。技術と経験をもったプロに依頼するのが確実だと思います。見積もり調査は無料の業者がほとんどなので、一度相談すると良いでしょう」

すみついている場合は、平均的には2~3匹、多く見つかるときは20匹にものぼるとか。完全駆除には平均2、3カ月かかるそうです。気になる費用ですが、一般的な一戸建て(20坪以下)で約15万~25万円。アパート・マンションなどは30万円~、大規模マンションでは100万円を超える事もあるそう。

なお、賃貸や分譲マンションで自分の部屋にねずみがでた場合は、建物内から侵入した可能性が高く、配線や配管の貫通部がつながっているほかの部屋にもねずみが来ていると考えられるとのこと。建物全体をチェックすることが必要になってくるので、まず大家さんや管理組合に相談の上、対応を検討してもらいましょう。
繁殖のトップシーズンを迎える前に一度、望まぬ侵入者の存在をチェックしてみては?

●ねずみ駆除・ねずみ退治|ラットパトロール
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