宮古島陸自配備 国、牧場周辺撤回せず 地権者は売却拒否


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 【宮古島】宮古島市への陸上自衛隊配備計画で、下地敏彦市長が「地下水の汚染が懸念される」として配備に反対した市平良の「旧大福牧場」周辺の候補地について、防衛省が「(配備を)諦めたわけではない」との考えを持っていることが3日までに明らかになった。「大福」の土地を所有する大米建設(那覇市)の下地米蔵会長は同日、琉球新報の取材に「土地の売却は絶対にあり得ない」と強調しており、宮古島市への自衛隊配備計画への影響は必至だ。

 市内で大福に代わって駐屯地建設ができる規模などの条件を満たした用地は少ないとみられ、仮に見つかったとしても地権者の意向によっては配備計画は暗礁に乗り上げる。

 防衛省はこれまで下地市長から大福への配備を反対する旨を伝えられたが、計画撤回については言及していなかった。赤嶺政賢衆院議員(共産)が7月19日、防衛省で担当者に問いただしたところ、担当者は「現時点で大福牧場を諦めたわけではない」との見解を示した。

 防衛省の見解を知った下地会長は「大福への施設配備は終わった話だと思っていたので驚いた。水問題で市民の間に懸念があるので、安心させるためにはっきりと『土地は売らない』と言いたい」と話した。

 下地市長は6月20日の市議会で、宮古島への自衛隊配備を了承した。ただ、大福への配備については、市民らから地下水の汚染に対し懸念が相次いでいるとして「認めない」としていた。