秘技、瞬間冷凍! たった1分で作る「アイスクリーム」の作り方【理系メシ】

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暑い日には「アイスクリーム」でしょ!

暑いな。 

「暑いですねえ」

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 そういうわけで茉衣にゃん、今日はアイスクリームを作るぞ。

「やったあ!」 

 

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アイスクリームを作ったことは? 

「ないで~す」

あれは冷やすのが面倒なんだ。30分おきぐらいにかき混ぜて空気入れないと、固くて食べられない。しかも完成まで2~3時間かかる。

「なるほど~」

 

そこで……。

そんな手間をすっ飛ばし、一瞬で固めてしまうという裏ワザが今回のミッションだ。

 

用意するのは、

  • 卵3個
  • 生クリーム100ml
  • 砂糖大さじ6杯
  • ドライアイス

「これだけなんですか?」

まずはドライアイスだが、これは粉末状のものしか使えない。固まりはアウトだ。もし固まりしか入手できないなら、かき氷器で粉末にして使う。最近はスーパーでタダでくれたり、売っていたりするからそこで調達。お子さんはお母さんやお父さんと一緒に作った方がいいね。ドライアイスは非常に冷たいからな。

※小さなお子さまが、ドライアイスを直接触らないようご注意ください。

 

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まず卵を黄身と白身に分ける。

「はーい」

 

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黄身には砂糖を加える。そしてハンドミキサーで混ぜる。

「おもしろ~い!」 

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ハンドミキサー、使ったことない?

 「中学生のとき以来かな」

 

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 いまやハンドミキサーは驚くほど安いからな。1,980円とかで売ってるから、買っておくとなにかと便利だ。

 

「白っぽくなってきた」

 これを火にかけたらカスタードクリームになるぞ。もったり固まったら、次は白身だ。

 「はーい」

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白身はメレンゲにする。ツノが立つくらいまで撹拌(かくはん)する。

最後に生クリームを。これもホイップクリーム状になるまで混ぜる。氷でボウルの底を冷やしながら混ぜないと固まらないので要注意だ。

 

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「冷やさないとバターになっちゃうんですよ」

 そうなんだよ。さっき、失敗してしまった。

「バター、おいしかった~」

 生クリームは常温でかき混ぜるとバターになる。豆知識だな。

すごくおいしいから、それはそれでおススメだ。

 

次に、全部をひとつのボウルに入れてざっくり混ぜる。

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 ここからが本題だ。ドライアイスは知ってるよね。

「知ってます。ケーキのお持ち帰りとかに入ってます」

 そのとおり。あれは冷たいけれど、何度か知ってる?

 「知らないです」

 

マイナス79度だ。 

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 バナナで釘を打てるぐらい冷たい。

 「????」

 ……昭和は遠くなったな。

なんでも凍るぐらい冷たいってことだよ。

はい、じゃあボウルにドライアイスを入れよう。冷たいので、ヤケドしないようにね。

「ヤケド?」

凍傷だね。さっきも言ったけど、ドライアイスはものすごく冷たいから、ぎゅっと握ったりしたら手が凍る。取り扱いには、十分注意ってことだよ。

 

では粉末のドライアイスをスプーンですくって、パラパラ。

 「パラパラ〜」

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「うわあ、すごい!」

 ここからは時間勝負だ。かき回せ、かき回せ!

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「ぐるぐる、ぐるぐる、こんな感じ?」

底が凍ってしまうから、底からすくうように全体的にかき回して。そうそう。ドライアイスは気化していくから、アイスクリームが出来上がった時にはドライアイスは残っていない計算だ。

※ドライアイスはよくかき混ぜて、完全になくなる(蒸発させる)までは食べられません

 

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「できました!」

 いい感じじゃないですか。

「茉衣にゃんの愛情たっぷりアイスクリームです!」

 

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ちょっとドライアイスが残っているから、細かくして蒸発させてしまうことが大事だ。

 

よし、完成だ。味はどうだい?

 

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「ちょっとピリピリする」

 ちょっとピリピリ? 

……そうか。これは言わば「炭酸アイスクリーム」だ。ドライアイスは二酸化炭素、ようするに炭酸ガスだ。蒸発したドライアイスが逃げきれずにアイスの中に入り込んでしまったんだな。そんなときは、そのまま冷凍室で30分ほど冷やせば炭酸は抜ける。

 

 

本日はこれまで。手作りアイスは大変にうまい。人が来たときにやると、ダイナミックでウケるぞ。

「みんなもやってみてね! 高実茉衣でした。バイにゃん!」

 

<ドライアイスの取り扱いに関する注意>

  • 直接手で触れたり、口に入れてたりしないでください。
  • 換気のよい場所でお使いください。
  • ビン・ペットボトルなどの密閉容器には入れないでください。
  • 子供の手の届かないところに保管してください。

 

書いた人:川口友万

川口友万

サイエンスライター。科学情報サイト『サイエンスニュース』の編集統括。企業取材からコラム、科学解説まで、科学をテーマに幅広く扱う。東京・武蔵小山で、毎週日曜日のみ、肉に電気を流して食べたり、ワインを超音波で振動させて飲むイベントバー『科学実験酒場』を主宰。

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